研究課題/領域番号 |
22K12171
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
岩田 一貴 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (20405492)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 距離分布 / 非ユークリッド距離 / 有界凸領域 / 形状記述子 |
研究実績の概要 |
平面における有界領域内の2点間の移動を考える。移動の長さをユークリッド距離によって測るとき、移動の長さの累積分布から、その領域の距離分布が得られる。領域内の2点を一様に選ぶと、領域の形状は分布に大きく影響する。このことは、距離分布が領域の形状の特徴を表す大域的な記述子であることを意味している。距離分布は領域の合同変換群の下では不変である。さらに、有限個の点または線の集合で近似することで、距離分布は簡単に計算できる。これらの利点から、近年、距離分布に基づくいくつかの概念が、形状解析や人の移動の分析に使われている。
タスクや条件に応じて定義された非ユークリッド距離の方がユークリッド距離よりも適切なことがあるという理由から、非ユークリッド距離を用いたパターン認識の研究は多くある。しかし、そのような非ユークリッド距離の距離分布については、あまり知られていない。そこで、本研究では、非ユークリッド距離と直線の集合の密度関数を用いたときの距離分布の基本式を示した。この式は有限の直線集合に基づく分布の和として効率的に計算できる。さらに、領域を凸領域に限定し、タクシー幾何学と射影幾何学においてよく知られた非ユークリッド距離を検討した。非凸領域に関しても非ユークリッド距離があることは知っているが、過去の幾何学の成果を考えると、凸領域に限定することは議論の良い出発点となる。いくつかの凸領域を用いた計算結果において、検討した非ユークリッド距離の距離分布を可視化(グラフ化)した。それらの距離分布をユークリッド距離に基づく距離分布と比較し、分布の形状や範囲の違いについて調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度と今年度の研究成果は国際的な学術雑誌に投稿済みであるから。
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今後の研究の推進方策 |
当面は投稿した論文が学術雑誌で出版されるよう修正に注力する。また、昨年度と今年度の研究成果について、新しく追加できる内容や応用例を思いついたので、それらの事柄を成果として発表できるよう研究を進める方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果をまとめた時期と参加したかった学会の投稿締め切りが合わず、旅費をあまり使わなかったことが主な理由である。次年度の出張と英文校正の費用として使用する予定である。
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