研究課題
本研究の目的は、サルの脳のTE野内におけるカテゴリーの境界付近の情報処理過程を明らかにすることである。本研究では、TEO野とTE野内に複数の電極アレイを埋め込み、カテゴリー境界があいまいなモーフィング画像を用いて、ニューロン活動を記録する。これらのニューロン活動を基に、レザバーネットワークを構成し、深層ニューラルネットと組み合わせてモデルを構成する。モデルの挙動とニューロン活動を比較することで、カテゴリー境界付近での分類情報の処理過程を解明することができる。本研究では、モーフィング画像をサルに呈示したときニューロン活動を記録し、レザバーネットワークによるモデル化を実施する。そのために、以下の3つの課題に取り組む。令和4年度から課題1を実施し、令和5年度と6年度には課題2と3を実施する。[課題1] ニューロン活動の記録: TE野とその前段階であるTEO野に電極アレイを埋め込んだサルが、呈示された画像がイヌかネコかによってサルの行動を変えるタスクを実行中に、ニューロン活動を記録する。研究分担者の菅生康子博士と共同でおこなう。[課題2] ニューロン活動に基づいたレザバーネットワークの構成: 課題1により記録したニューロン活動を基に、レザバーネットワークを構成する。[課題3] カテゴリー境界分類の神経回路モデルの構成: 課題2のレザバーネットワークと深層ネットワークを組み合わせることで、モーフィング画像に対するカテゴリー分類の神経回路モデルを構成する。本年度は、課題1について研究を実施し、TE野ではカテゴリー学習に従い、ニューロン集団活動が変化するのに対し、TEO野では変化しないことが分かり、国際学会において発表を行った。
2: おおむね順調に進展している
課題1について順調に進展している。
次年度は研究計画に従い、課題1に引き続き課題2に取り組む。
所属機関の動物飼育料が他の予算で支払えたため、次年度に持ち越す。モデル構築のための計算機を購入する予定である。
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