研究課題/領域番号 |
22K12189
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
松本 有央 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (00392663)
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研究分担者 |
菅生 康子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (40357257)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 脳 / カテゴリー分類 / ニューロン / モデル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、サルの脳のTE野内におけるカテゴリーの境界付近の情報処理過程を明らかにすることである。本研究では、TEO野とTE野内に複数の電極アレイを埋め込み、カテゴリー境界があいまいなモーフィング画像を用いて、ニューロン活動を記録する。これらのニューロン活動を基に、レザバーネットワークを構成し、深層ニューラルネットと組み合わせてモデルを構成する。モデルの挙動とニューロン活動を比較することで、カテゴリー境界付近での分類情報の処理過程を解明することができる。本研究では、モーフィング画像をサルに呈示したときニューロン活動を記録し、レザバーネットワークによるモデル化を実施する。そのために、以下の3つの課題に取り組む。令和4年度から課題1を実施し、令和5年度と6年度には課題2と3を実施する。 [課題1] ニューロン活動の記録: TE野とその前段階であるTEO野に電極アレイを埋め込んだサルが、呈示された画像がイヌかネコかによってサルの行動を変える タスクを実行中に、ニューロン活動を記録する。研究分担者の菅生康子博士と共同でおこなう。 [課題2] ニューロン活動に基づいたレザバーネットワークの構成: 課題1により記録したニューロン活動を基に、レザバーネットワークを構成する。 [課題3] カテゴリー境界分類の神経回路モデルの構成: 課題2のレザバーネットワークと深層ネットワークを組み合わせることで、モーフィング画像に対するカテゴリー分類の神経回路モデルを構成する。 本年度は、課題1と課題2について研究を実施し、TE野ではカテゴリー学習に従い、ニューロン集団活動が変化するのに対し、TEO野では変化しないことが分かった。深層ネットとの比較をおこない、TE野とTEO野で異なる深層ネットの層が最も似ていることが分かり、国際学会において発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題1と2において順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は研究計画に従い、課題1、2、3に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
外国出張の予定が合わずにキャンセルしたため。ニューロンモデル構築用のPCや出張旅費に使用予定。
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