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2022 年度 実施状況報告書

多様な飛行ミッションを実現する高速無人機のための革新的ファジィモデリングと制御

研究課題

研究課題/領域番号 22K12191
研究機関電気通信大学

研究代表者

田中 一男  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (00227125)

研究分担者 田中 基康  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (50633442)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードスマート制御
研究実績の概要

無人航空機のファジィモデリングに関する研究を行った.無人航空機ダイナミクスと翼によるAerodynamicsを多項式ファジィモデルに変換するモデル化アルゴリズムを提案した.当研究室で使用する無人航空機の開発機の風洞実験の実測データおよび過去に実施した飛行実験データよりAerodynamicsのモデル構築を行った.
翼によるAerodynamicsのモデルと無人航空機ダイナミクスを多項式ファジィモデルへ変換するアルゴリズムを構築するとともに,北海道十勝地方の大樹多目的航空公園内の飛行実験場にて長期にわたり飛行実験を行い,飛行データによる多項式ファジィモデルの精度検証を行った.その結果,制御系設計に十分なモデルの精度を得られたことを確認した.
実機の挙動に近いモデル構築が実現できたため,多項式ファジィモデルを安定化するような制御系設計を行った.この制御系設計においては,いくつかの制御性能を満たすようなSum of Squares記述に基づく設計条件として新たに導出されたものを用いている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り,無人航空機のファジィモデリングと多項式ファジィモデルを安定化するような制御系設計を行った.Sum of Squares記述に基づく設計条件導出においては,飛行ミッションの実現に向けて若干の改良を行う余地も残った.
1 無人航空機のファジィモデリングについて
無人航空機ダイナミクスと翼によるAerodynamicsを多項式ファジィモデルに変換するモデル化アルゴリズムとして,多項式セクタを用いたモデリング法を考案した.空力の特性についてもいくつかの工夫を導入することで,モデル精度の向上を成し遂げた.飛行実験データによるモデルの精度検証を行った結果,制御系設計に十分なモデルの精度を得られたことを確認した.
2 多項式ファジィモデルに基づく制御
多項式ファジィモデルに基づく制御系設計のための条件導出において,いくつかの工夫を施し,また,緩和のためのアイデアを織り込むことで,実機に適用可能な条件導出を行った.制御系の収束性を早める条件などは安定性を保証する条件よりも保守性が強くなるが,多項式ファジィモデルの特徴を十分に活用し,大幅な緩和に成功している.

今後の研究の推進方策

今後の研究については飛行実験での検証に重きを置いて進めていく.とくに,次年度は以下のように研究を展開する予定である.

(1) 飛行タスク群を実現するためには,複雑経路の飛行が必要不可欠である.これを実現するためのアイデアだしとアルゴリズム化を行う.

(2) 北海道十勝地方の大樹多目的航空公園内の飛行実験場にて長期にわたり飛行実験を行い,上記で提案するアルゴリズムの実現可能性の検証を行う.

次年度使用額が生じた理由

今年度の最後に,無人機の保守関連の消耗品を購入予定だったが,在庫欠品中で納期が次年度にずれ込むことがわかった.今年度中の納品が困難だったため,次年度に購入予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Coordinated Flight Path Generation and Fuzzy Model-Based Control of Multiple Unmanned Aerial Vehicles in Windy Environments2023

    • 著者名/発表者名
      Yutoku Takahashi, Motoyasu Tanaka and Kazuo Tanaka
    • 雑誌名

      International Journal of Fuzzy Systems

      巻: 25 ページ: 1-14

    • DOI

      10.1007/s40815-022-01390-0

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Descriptor Representation-Based Guaranteed Cost Control Design Methodology for Polynomial Fuzzy Systems2022

    • 著者名/発表者名
      Yu-Hsuan Shen, Ying-Jen Chen, Fan-Nong Yu, Wen-June Wang and Kazuo Tanaka
    • 雑誌名

      Processes

      巻: 10 ページ: 1-14

    • DOI

      10.3390/pr10091799

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] エレボン操舵のみを有する Flying-wing 型無人航空機に対する入力飽和を考慮した 縦方向・横方向ダイナミクスの同時安定化2022

    • 著者名/発表者名
      槌谷 航平, 高橋 佑徳, 田中 基康,田中 一男
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会

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公開日: 2023-12-25  

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