研究課題/領域番号 |
22K12207
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
田窪 朋仁 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (80397695)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 移動ロボット / 自己位置推定 / GPS |
研究実績の概要 |
本研究では、複数センサの信頼度をパーシステント図から解析し、センサの信頼度を考慮した位置推定手法を開発することを目的としている。当該年度は、3D-Lidarの3次元点群から復元される3次元環境の特長をパーシステントホモロジーにより抽出し、GNSSの位置計測の誤差が発生した状況を判定する手法を開発した。開発した手法では、ホイールオドメトリによるセンサ位置の移動から3次元復元を行ったデータとRTK-GNSS計測位置から3次元復元を行ったデータの特徴量として用いるパーシステント図をベクトル化したパーシステントイメージにより比較することで判定する。屋外実験で取得したデータを利用した検証では、RTK測位のMissFixを判定するときに従来用いられているRatio値による判定よりも精度よく判定することができることを示した。また、3D-Lidarのデータから3次元復元を行う際に判定の誤差となりえる移動物体の点群情報を除去する手法を開発した。開発した手法は、全周囲カメラから計測抽出された人物や車、自転車などの移動物体の領域を3D-Lidarの点群領域から該当する点群データを除去し、静止物体のみの点群データを出力することで、ノイズのない3次元復元を行うことができる手法である。屋外移動ロボットにより計測されたから移動体を除去した静止物体の環境地図を構築することが可能になり、移動物体を除去した点群からメッシュマップを構築し、地表面の安定した経路を生成するアルゴリズムを適用して目標位置までの安定したナビゲーションが行えることを示した。この手法で得られた点群情報はパーシステントホモロジーで判定結果の精度を向上させる効果がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
パーシステント図を用いたデータの特徴解析を行う際のスケール調整と機械学習を行うためのアルゴリズム開発に時間がかかっているため。初年度には機械学習による判定手法のアルゴリズムは完成しておらず、パーシステント図を利用した類似度による判定アルゴリズムの開発のみ完成している。
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今後の研究の推進方策 |
機械学習を行うためのアルゴリズムの完成を本年度中に目指し、学習したモデルから複数センサのデータを入力値としてセンサの信頼度を考慮した精度の良い自己位置が出力されることを示す。また、複数のセンサの信頼度に関する学習データを取得するために、段階的に屋内におけるデータから限定的な計測を行うことで精度の良いデータの計測を行いセンサモデルの学習を行う。次に、屋外のデータで学習も難易度を少しづつ上げて学習をさせる手法を検討する。例えば、人工物が多い環境や自然の環境が多い場所、動物体が多い環境などに分けて学習データを収集し、センサの信頼性についてPD図で解析を行った後にラベル付けを行い学習を行えるように準備を行う。
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