研究課題/領域番号 |
22K12230
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小松 孝徳 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (30363716)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ヒューマン・エージェント・インタラクション / 認知科学 / 感性情報学 / モラルジレンマ |
研究実績の概要 |
我々の日常生活においてロボットが急速に普及しつつあるが,実際のユーザはそれらのロボットを「何者」と認識しているのであろうか.本研究では,ロボットが「与えられた役割」と「相反するユーザからの欲求」との間で板挟みになる「板挟み型モラルジレンマ課題」を準備し,日米で同時調査を実施する.そして,これらのシナリオに登場するロボットを,ユーザがどのように認識しているのかを詳細に分析する.そして申請者が取り組んできたトロッコ問題と同じジレンマ構造を持つモラルジレンマに登場するロボットへの認識を把握する調査結果を併せることで,人間はロボットを「何者」と認識しているのかを文化差の影響を加味しながら包括的に把握することを目指す.
2022年度においては,共同研究者の米国・ブラウン大学のMalle教授と共に,ロボットが従事されることが期待される「警備」「自動運転」「清掃」「情報伝達」「介護」「軍事」「医療」などのタスクに着目し,既出の文献からモラルジレンマ課題として利用されているシナリオを約200課題抽出した上で,板挟み構造になっていると課題を両者の合議のもとで20課題選択した.さらにこれら20課題において,その課題に登場するロボットにどのような行動が期待されているのかを把握する予備調査を実施し,その結果が重複していたり課題の構造が類似しているものを省いた合計10課題を本調査で使用する課題として選定した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初より2022年度においては,実際の調査に耐えうる具体的な課題の作成を目的としており,その作成の完了および予備調査を実施することができたため,本研究課題はおおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度においては,2022年度の作成した課題を用いて,日米両国での調査を実施することをまずは第一目標に設定する.そして,その調査の結果を踏まえた上で,新しい研究方針を策定する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた調査を対面調査ではなくクラウドソーシングで実施したため,予定よりも予算の支出が少なかったため.
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