計画通りワークステーションなどの購入とセットアップを行い研究環境の整備を行った。申請者自身で開発を行っているベイジアンネットワーク推定ソフトウェア INGOR およびMCMC 計算ソフトウェア(名称未定)それぞれおよびそれらの連携動作の確認を行った。また東大医科研の大型計算機である SHIROKANE および日本のフラッグシップスパコンである富岳での環境セットアップを行った。MCMC 計算ソフトウェアは富岳で並列動作ができるように並列化を行なっているため、その動作確認も行った。 セットアップした計算環境を用いてヒト2万遺伝子の遺伝子ネットワーク推定およびそのデータからの MCMC によるサンプリングを確認した。現状、テストデータに用いている 400遺 伝子ノックダウンデータセットのうち、 ノックダウンした 400 遺伝子周辺のネットワークがサンプリング対象となっており、2万遺伝子全遺伝子に対するサンプリングまでは実現していない。 なお、本研究計画の大元になっているこの MCMC 技術については、基礎的なデータの収集は完了し、現在論文化を進めているところである。 計画では主に遺伝子発現データを使う予定であるが、申請者が参画する大規模健診による健康ビッグデータへの適用も同時に進めることにした。そのための準備を2022年度中に行なった。ベイジアンネットワーク解析による健康ビッグデータ解析自体はうまくいくことが確認できたため、今後 MCMC による本研究においてもターゲットの一つとしたい。
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