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2023 年度 実施状況報告書

連合学習による生体分子ネットワーク推定法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K12238
研究機関弘前大学

研究代表者

玉田 嘉紀  弘前大学, 医学研究科, 教授 (80435495)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードベイジアンネットワーク推定 / MCMC / 連合学習
研究実績の概要

まず推定されたベイジアンネットワークモデルからマルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法によりデータ生成を行い、その生成データから元のベイジアンネットワークを再構成(再推定)する、という方法の検証を行った。条件として 100 変数、平均次数 2.0 のランダムグラフからシミュレーション用データを発生させ、そのデータのみを用いてネットワーク推定し、さらにその推定結果からMCMC法を用いてデータ発生させ、ベイジアンネットワークを推定、元のグラフ構造(正解)と比較を行う、というものである。その結果、Sensitivity (Sn)=0.98, Precision (Pr)=0.95 という高い再構成能力を確認することができた。
連合学習では複数データセットをそれぞれ単独のデータとして学習するものである。この実現可能性を検証するために、次にシミュレーションデータセットを5つに分割し、前述の方法を5回繰り返す、という方法の検証を行った。この際、MCMC法により生成するデータのサンプル数は、分割後のサンプル数である。つまり5つの分割データセットから、5つのネットワークを推定し、MCMCによりデータ生成させ、それをマージしネットワーク推定を行う、という方法である。その結果、Sn=0.97, Pr=0.91 と、ほぼ正解ネットワークと同じネットワークが得られた。
この方法は、MCMC 法で生成したデータをすべて一旦マージして、最終的なネットワークを推定している点で計画書に記載した元のアイディアとは異なるものである。したがって次に MCMC 法の生成データと分割した5つのうち1つのデータをマージする、というのを5回繰り返す方法の性能を検証した。その結果 Sn=0.97, Pr=0.91 と性能は同等であった。
以上より、当初のアイディアでベイジアンネットワークの連合学習が可能であることが示せた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初遅れていたが基本概念の実証が問題なくできたため、遅れを取り戻し概ね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

次年度、大規模化および成果の論文化を行う。
今年度成果は、データが均一な分布の場合である。実データはそうでない場合があるため、その検証も併せて行い、必要に応じて対策を考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] INGOR / SiGN-BN - Gene Network Estimation Software2023

    • 著者名/発表者名
      玉田 嘉紀, 中澤 麻衣, 太田 可純, 原田 陽平, 藤本 健二, 鎌田 真由美, 奥野 恭史
    • 学会等名
      生命医薬情報学連合大会 (IIBMP 2023)
  • [学会発表] A novel method for gene knockdown simulation using Markov chain Monte Carlo methods (MCMC)2023

    • 著者名/発表者名
      中澤 麻衣, 玉田 嘉紀, 奥野 恭史
    • 学会等名
      生命医薬情報学連合大会 (IIBMP 2023)

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公開日: 2024-12-25  

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