研究課題/領域番号 |
22K12249
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
志鷹 真由子 北里大学, 薬学部, 教授 (70265718)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | タンパク質間相互作用 / 複合体界面 / 立体構造予測 |
研究実績の概要 |
タンパク質間相互作用は創薬ターゲットとして重要である。タンパク質間相互作用のメカニズムなどを詳細に理解するためには、タンパク質複合体の立体構造情報が欠かせないが、実験的手法で得られる複合体構造の数には限りがあるのが現状である。したがって、コンピュータを用いて精度よくタンパク質複合体の立体構造を予測できる手法が必要となってくる。近年、タンパク質立体構造予測の研究分野においては、アミノ酸配列情報からその立体構造を高精度に予測するAlphaFold2が報告されるなどタンパク質の単体構造の予測精度向上が著しい。その後、タンパク質複合体の立体構造予測に対応したAlphaFold-Multimerも報告されている。そこで当該年度は、それら既存の手法を用いたタンパク質複合体の立体構造予測の結果にもとづき、実験構造と予測構造の比較などにより既存手法の予測精度の確認を行った。また、タンパク質間相互作用の理解には複合体の相互作用界面の構造情報が重要である。そこで、タンパク質複合体の相互作用界面における立体構造的特徴の解析などに用いるために、タンパク質複合体の実験構造のデータセットの作成を開始した。データセットの作成に際しては、複合体の界面構造の分類に関して調査を実施し、Protein Data Bankから取得したタンパク質複合体の実験構造に対し適用を試みている。相互作用界面に存在する水分子などのタンパク質以外の分子についても検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タンパク質間相互作用に関する新規手法の開発に向けて、タンパク質複合体の立体構造予測に関する既存手法の予測精度などの確認を行った。また、タンパク質複合体の実験構造のデータセットの作成にも着手できており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
タンパク質複合体の実験構造のデータセットの作成を進める。作成したデータセットを用い、相互作用界面の構造解析を実施する予定である。また、相互作用界面の構造情報に着目し、新規の手法開発やその予測精度検証などを進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定していた物品に価格変動があったため、一部の物品は翌年度分と合わせて購入を検討することとした。
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