研究課題/領域番号 |
22K12254
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
種田 晃人 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (70332492)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | RNA二次構造 / エネルギーランドスケープ / 転写中フォールディング / RNAスイッチ |
研究実績の概要 |
令和4年度の研究期間に開発を行った「粗視化を利用した転写中フォールディングシミュレーションのためのアルゴリズム」には、シミュレーションの結果を左右する様々なパラメーターがある。令和5年度の研究期間では、これらのパラメーターの調整を行った。パラメーター調整は、より粗視化レベルの低い(塩基対単位の構造変化により表されるエネルギーランドスケープを対象としてシミュレーションを行う)シミュレーションツールの結果と、本研究課題で開発した粗視化を利用したシミュレーションプログラムの結果を比較することで行った。本研究課題で開発した粗視化を利用したシミュレーションプログラムはベイスン単位でRNAエネルギーランドスケープを表すことで、広範囲の探索を効率的かつ決定論的に行う。複数のパラメーターに対するグリッドサーチを行い、粗視化レベルの低い従来手法の結果をよく再現するパラメーターのセットを決定した。得られたパラメーターセットを用いて、人工RNAスイッチ配列の転写中フォールディングシミュレーションを行い、3’末端に配置されているターミネーター配列が安定的にステムループ構造を形成することを確認した。また、この人工RNAスイッチ配列をタンデムに2つ連結したタンデムRNAスイッチ配列に対しても転写中フォールディングシミュレーションを行った。その結果、1つ目のターミネーター構造が転写途中に形成され、その後の転写過程において安定に存在すること、そして2つ目のターミネーターにおいても安定なステムループ構造が形成されることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度予定していた同種のRNAスイッチを2つ連結したタンデムRNAスイッチの転写中フォールディングシミュレーションを実行する段階まで進んでいることからおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に実施したものとは異なる種類のタンデムRNAスイッチシステムの転写中フォールディングシミュレーションを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿が遅れているため、投稿料として次年度使用額を計上した。
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