研究課題/領域番号 |
22K12296
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
芳賀 瑛 東京大学, 大学総合教育研究センター, 特任助教 (50738672)
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研究分担者 |
山下 勝 法政大学, 理工学部, 教授 (30849758)
三木 洋一郎 九州大学, 基幹教育院, 教授 (80262476)
森田 進治 法政大学, 理工学部, 教授 (80789032)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | フライトシミュレーション / 技能教育 / AI / VR / パイロット |
研究実績の概要 |
本研究ではパイロットの操縦技能及びブリーフィングによる内省・技能改善能力を含めた包括的能力の向上を支援するシステムの開発を目的とする。 2022年度においては既に開発した航空技能評価システムとディスカッション評価システムの改良を行うこと目標に研究を遂行した。前者についてはこれまでシステムにおいて実施できる飛行課題がスティープターンの1種であったものを基本飛行課題の全てを評価出来るよう改良を行った。また並行して、スティープターンのシミュレーション実施時のパフォーマンスについてデータの蓄積を進めた。 一方、ディスカッション評価システムの改良については技術的な問題から、ディスカッションの質を評価する所までは至らず、個々人の発言量や時間等の一次的な特徴量の入手のみに留まった。分析の結果、これらの一次特徴量はパフォーマンスの本質的改善に影響を与えず、学習者の「気づき」と「改善策の検討」に属する発言の抽出と実際の改善策、それらに対する評価点を特徴量とする方策が有効と考えられた。 また、近年のAI技術の進展と研究の効率化の観点から、ディスカッション全体を評価するシステムをゼロから構築する方針から、既存のAIサービスを併用してディスカッションの良い部分を抽出し、人為的に評点を行って再度AIに学習させる方針に転換した方が望ましいと考えられた。 上記の技術的な問題解決に時間を必要とした為、進捗について若干遅れているが、対応策として、前述の既存AIの併用と評点方式の効率化、外部アドバイザーの追加を以て問題を解決し、次年度以降の研究を遂行する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述のようにディスカッション評価システムの改良においてディスカッションの質を評価する所までは至らず、個々人の発言量や時間等の一次的な特徴量の入手のみに留まっている。パフォーマンスの向上に影響を与える特徴量として、学習者の「気づき」と「改善策の検討」に属する発言の抽出と実際の改善策、それらに対する評価点が有効と考えられることから、この指標を平易に取得できるようシステムの改良を行う必要がある。上記の技術的な問題解決に時間を必要とした為、進捗について若干遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
上記の技術的な問題への対応策として、前述の既存AIの併用、評点方式の効率化、外部アドバイザーの追加を以て問題を解決し、次年度以降の研究を遂行する。 ディスカッション全体を評価するシステムをゼロから構築する方針から、既存のAIサービスを併用してディスカッションの良い部分を抽出し、人為的に評点を行って再度AIに学習させる方針に転換することで研究の効率化を行う。 基本計画に準拠し、初年度の結果を基に、ディスカッションを含めた訓練生の包括的能力を評価するAIの開発を推進する。同時にAIから得られた評価を効果的にフィードバックする支援システムのプロトタイプの開発に着手する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度においては既存システムの改良と新規AI開発の為の要件定義の期間として研究を遂行した。研究実績の概要に記載したように、既存システムの改良について技術的な問題解決の為、進捗に遅れが生じた為、新規AI開発の為の要件定義が大きく変更されるに至った。よって次年度使用額が生じた理由は予算の主要部分であるAI開発の発注が次年度に持ち越されることに拠る。使用計画として新規AI開発の発注に予算の主要部分を使用し、残額において評価のフィードバックシステムの開発を行う予定である。
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