研究課題/領域番号 |
22K12304
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
越智 洋司 近畿大学, 情報学部, 准教授 (80314847)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 動画視聴分析 / スキル抽出 / 学習行動解析 / コンピテンシー / 時系列データ |
研究実績の概要 |
・多様な学びを評価する支援モデルとして、今年度は「オンデマンド型」の講義についての学習行動ログの分析を進めた。課題の提出と動画視聴の学びの評価に繋がる指標となる要因を機械学習の技術を活用した。倍速視聴の分析については、本学の共通教育学生センターとも連携をとり調査分析をすすめ、各種メディアでも取り上げられた。 ・学習行動ログ収集のためのIoTデバイスとして、M5Stackを購入し、RFIDを活用したフリーアドレス利用行動記録プラットフォームの開発にとりかかった。本システムは、研究代表者が所属する機関の研究棟がフリーアドレスであることに着目し、フリーアドレス空間の有効活用とそこでの学生の行動履歴を把握し、学生個々ならびに集団としての行動履歴について把握することを目的とし、開発をすすめた。 ・アウトカム評価の要素としての利活用するために大学での学びと専門知識との関係性を推定する研究に取りかかった。大学のシラバスデータを活用し、用語から科目推薦を行うシステムの開発にとりかかり、その手法の検討とシステム開発に取り組んだ。 ・動画視聴データ、シラバスデータ、フリーアドレス利用行動を分析するための機械学習用GPUコンピュータを選定し購入した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
・学習行動収集用のソーシャルポートフォリオの開発に遅れが出ている。 ・機械学習用のGPUコンピュータの選定と購入が遅れている。 ・オンデマンド講義の視聴ログデータの取得に時間がかかった。 以上が進捗が遅れていると判断した要因であるが、上記の問題は解決済みであり、全体計画としてはその遅れは取り戻せると考える。
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今後の研究の推進方策 |
・昨年度までの成果を元に、動画視聴データを時系列データとして捉えた解析を進め、機械学習技術を活用したコンピテンシーの推定対象の選定と支援モデルの構築、システム実装を進めていく。 ・M5Stackを用いた学習行動収集プラットフォームの学内での運用を開始し、実データの取得に取り掛かる。また、開発が遅れているポートフォリオの早期運用を目指す。 ・機械学習の実装についてはモジュール化を意識して行い、様々な領域やシステムへの適用が可能な形に進めていく。 ・支援対象の幅を広げるために、時系列データ解析の視点から身体行動を伴う学習支援の研究も行う。 ・研究成果については、国内学会、国際会議だけでなく学会誌への投稿も行う予定である。また、開発したシステムのコードやモジュールは一部インターネット上で公開することも視野に入れる。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表の機会が計画よりも少なかったためである。次年度は、国際学会の発表を行い、海外での発表・調査も視野に入れる予定である。
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