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2022 年度 実施状況報告書

学習記録データをもとにした先延ばし行動の分類とタイプ別学習支援

研究課題

研究課題/領域番号 22K12316
研究機関熊本大学

研究代表者

久保田 真一郎  熊本大学, 総合情報統括センター, 准教授 (80381143)

研究分担者 松葉 龍一  東京工科大学, 先進教育支援センター, 教授 (40336227)
合田 美子  熊本大学, 教授システム学研究センター, 准教授 (00433706)
鈴木 雄清  大分大学, IRセンター, 准教授 (00333253)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードラーニングアナリティクス / 先延ばし行動 / 学習ログ
研究実績の概要

本研究では,LMS上のすべての学習コースの学習ログから得られる変数をもとに「取り掛かり具合」「取り組み間隔」「取り組み順」にあたる特徴ベクトルを作成し,作成した特徴ベクトルをもとに,対象とする授業内において学習者の能動タイプと受動タイプの先延ばし行動の分類を確認する.その結果をもとに,能動タイプと受動タイプの先延ばし行動に分けられた学習者群ごとに,自己調整学習方略をもとに学習支援手法を考案し,学習者個別に学習支援を提供することで高い学習効果が得られることを明らかにする.
オンデマンド型遠隔授業の受講生を対象に先延ばし意識特性尺度に回答を求め,学習履歴から分類した先延ばし学習傾向群間で比較を行った.先延ばし群には前半回のいずれかで先延ばしがあり,先延ばし無し群よりも「状況の楽観視」,「先延ばし前の否定的感情」,「先延ばし中の肯定的感情」の下位尺度得点が高い傾向があった.
取り掛かった時刻として,1週間を単位に学習コースにはじめてアクセスする時刻が,1週間のはじまりを0,終わりを1として,どこに位置するかで数値化し特徴量の1つとした.「取り組み順」は,時間とは無関係に教材ページにアクセスする順番の変化を数値化して扱うこととし,w週とw-1週でアクセスするページ番号を時系列に並べた2つの数列に対してDDTW(Derivative Data Time Warping)により算出される類似度によりページ遷移の仕方を数値化した.アクセス回数なども含めた特徴量を設定し,特徴量エンジニアリングを一旦終えて,成果や先延ばし行動との関係性について検討した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

学習者固有の特徴量を一旦定めるに至り,授業欠席との関係について考察し,先延ばし行動との関係性についても考察したが,うまく検討できていない.学習者の学習行動を表す特徴ベクトルに未だ問題があるとも考えられ,機械学習における学習モデルや識別モデルの構成手法も検討の余地がある.

今後の研究の推進方策

学習者の学習行動を表す特徴ベクトルの再検討,機械学習における学習モデルや識別モデルの構成手法をさらに検討し,学習者の学習行動をもとに先延ばし行動を高精度に予測できることを目指す.学習者の学習行動を表す特徴ベクトルとしてオンラインテキストのページ遷移を表す分散表現ベクトルの利用も組み入れ,不均衡なデータセットでもロバストな識別モデルの構築を目指す.

次年度使用額が生じた理由

移動が制限され旅費の支出がなかったこと,特徴ベクトルを定めたが思ったような成果を得られていないために発表件数が少なかったことにより,旅費を予定していたほど支出していない.制限も解除されることから旅費の支出は増えると考えられる.また,現在の特徴ベクトルの検討を早めに進め,その成果を発表する予定である.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] LEARNING HISTORY AND STUDENTS' SELF-AWARENESS OF ACADEMIC PROCRASTINATION IN ON-DEMAND COURSES2023

    • 著者名/発表者名
      Yusei Suzuki, Shin-Ichiro Kubota, Ryuichi Matsuba, Etsuko Kamishiraki, Tsuneshi Obata, Makoto Nakashima
    • 雑誌名

      INTED2023 Proceedings

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] オンデマンド形式の授業における滞在時間を反映したページ遷移の分散表現を用いた学習者の成績予測2023

    • 著者名/発表者名
      市原大裕, 杉谷賢一, 中野裕司, 久保田真一郎, 渡邊健太
    • 雑誌名

      研究報告教育学習支援情報システム

      巻: 2023-CLE-39 ページ: 1-6

  • [雑誌論文] 学習管理システムを利用する人手による業務自動化の懸念とその対策について2022

    • 著者名/発表者名
      久保田真一郎
    • 雑誌名

      研究報告インターネットと運用技術

      巻: 2022-IOT-58 ページ: 1-4

  • [雑誌論文] オンデマンド型遠隔授業における学習履歴と先延ばし意識特性の関連2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木 雄清、久保田 真一郎、松葉 龍一、上白木 悦子、小畑 経史、中島 誠
    • 雑誌名

      日本教育工学会研究報告集

      巻: 2022 ページ: 300~303

    • DOI

      10.15077/jsetstudy.2022.4_300

  • [学会発表] LEARNING HISTORY AND STUDENTS' SELF-AWARENESS OF ACADEMIC PROCRASTINATION IN ON-DEMAND COURSES2023

    • 著者名/発表者名
      Yusei Suzuki, Shin-Ichiro Kubota, Ryuichi Matsuba, Etsuko Kamishiraki, Tsuneshi Obata, Makoto Nakashima
    • 学会等名
      17th annual International Technology, Education and Development Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] オンデマンド形式の授業における滞在時間を反映したページ遷移の分散表現を用いた学習者の成績予測2023

    • 著者名/発表者名
      市原大裕, 杉谷賢一, 中野裕司, 久保田真一郎, 渡邊健太
    • 学会等名
      第39回教育学習支援情報システム研究発表会
  • [学会発表] 学習管理システムを利用する人手による業務自動化の懸念とその対策について2022

    • 著者名/発表者名
      久保田真一郎
    • 学会等名
      第58回インターネットと運用技術研究発表会
  • [学会発表] オンデマンド型遠隔授業における学習履歴と先延ばし意識特性の関連2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木 雄清、久保田 真一郎、松葉 龍一、上白木 悦子、小畑 経史、中島 誠
    • 学会等名
      日本教育工学会研究会2022-4
  • [学会発表] Design of Language Education toward Higher-Quality Learning Experiences with Technology2022

    • 著者名/発表者名
      Goda, Y.
    • 学会等名
      The 61st JACET International Convention
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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