研究課題/領域番号 |
22K12480
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
高浪 龍平 大阪産業大学, デザイン工学部, 准教授 (00440933)
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研究分担者 |
橋口 亜由未 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (00805195)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 紫外線分解 / 紫外線消毒 / 水銀フリー / 深紫外線光源 / 大腸菌 / 不活化 / 光回復 / 化学線量計 |
研究実績の概要 |
本研究は、衛生管理ニーズにより注目される紫外線処理技術において、水銀フリーの深紫外線光源による細菌の不活化機構や有機物の分解特性を明らかにし、微生物線量計および微生物線量計を代替する化学線量計に関する知見を得ることにより、水銀フリーの深紫外線光源を用いた水処理システムの基礎的な知見を構築することが目的である。 令和4年度においては、微生物線量計の開発と化学線量計の開発について検討を行った。 微生物線量計の開発として、【a】光回復現象の検討を行い、プラズマ方式紫外線光源(以後、プラズマUV)において低圧水銀ランプより大腸菌の光回復率が低くなることが明らかとなった。【b】不活化機構においては、プラズマUVが低圧水銀ランプと比べ効率的に大腸菌を不活化したことに加え,検討項目の【a】で光回復の抑制効果が確認されたことから,プラズマUVは核酸損傷に加えて,光回復酵素などの損傷も引き起こしていることが示唆された。 化学線量計の開発として、【c】ヨウ素法の検討を行い、「ヨウ化物/ヨウ素酸法」による測定が可能であったが、光源が高出力なため、量子収率の低い「ウリジン法」でも十分な測定が可能であった。「ウリジン法」はDNAに類する吸収波長を持つため、今後の化学線量計による評価においては「ウリジン法」を用いる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は令和4年度から令和6年度を期間とする研究であり、今年度は1年目にあたる。課題として、【a】から【f】の6つを設定し、令和4年度においては、【a】から【c】の3つの課題に着手し、良好な結果を得ている。このため、研究の進捗として、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に得られた課題【a】光回復現象の検討、【b】不活化機構の検討、【c】ヨウ素法の検討について検証を行いつつ、化学線量計の開発および低透過率水での評価として、課題【d】フミン酸の分解に関する基礎的検討、【f】フミン酸を含有する低透過率水の化学線量計の適用に関する検討に着手し、水処理システムの簡易評価方法の確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度において、おおよそ申請時の予定に沿って研究を実施することができた。しかし、微生物線量計の開発に関する研究においては、申請時の計画よりも順調に進み、これにより不必要な研究費の執行を抑えたため、次年度への繰り越しが発生した。 令和5年度においても、おおよそ申請時の計画に沿って実施できる見込みであり、研究費の使用計画についても申請時の計画に沿った執行を予定している。
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