研究課題/領域番号 |
22K12481
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研究機関 | 石川県工業試験場 |
研究代表者 |
宗本 隆志 石川県工業試験場, 化学食品部, 専門研究員 (00745937)
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研究分担者 |
嶋田 一裕 石川県工業試験場, 化学食品部, 専門研究員 (60504850) [辞退]
内田 洋平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究センター付 (90356577)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 地中熱利用システム / 機械学習 |
研究実績の概要 |
地中熱利用システムは、地下浅部の温度変化の小さい熱特性を、空調や融雪などに活用するエネルギーシステムであり、再生可能エネルギーの一つとして注目されている。地中熱利用システムの性能は、地下水の揚水や涵養量の変化といった地下システムの条件変化などによって複雑に変化するため、水文地質学的特性の相互作用や地域的な不均質性が地中熱利用システムの導入可能性や性能に及ぼす影響を予測・評価する技術が望まれている。そこで本研究では、機械学習による地中熱利用ヒートポンプシステムの導入可能性および性能を予測・評価するためのモデルを構築する。 令和5年度は、昨年度に抽出した地中熱交換器長さおよび水文地質データの空間補完データを訓練データと検証データにランダムに分割し、訓練データを用いて、決定木回帰およびランダムフォレスト回帰モデルを構築し、検証データを用いて地中熱交換器長さの予測を行った。また、異なる地域の空間補完データを用いて構築したモデルを用いて、異なる地域における地中熱交換器長さの予測を行った。 青森県データをランダムに訓練データと検証データに分割して、訓練データを用いて決定木回帰およびランダムフォレスト回帰モデルを構築した。構築した学習モデルを用いて、検証データの熱交換器長さの予測を行ったところ、決定木回帰およびランダムフォレスト回帰モデルそれぞれ約4 mおよび10 mの残差で熱交換器長さを予測することができた。青森県データを訓練データとしてモデルを構築し、宮城県データを検証データとして熱交換器長さの予測を行ったところ、約40 mの残差であった。異なる地域のデータで学習したモデルの予測精度を向上するためには、地質の熱伝導率などの地質情報を特徴量として学習モデルに組み込む必要があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機械学習を用いた地中熱利用システムの稼働に必要な熱量を得るための地中熱交換器長さを予測するモデルの構築を行い、予測を行ったが予測精度が低いため、予測精度の向上が必要であることが分かった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は機械学習を用いた地中熱利用システムの性能予測評価モデルの予測精度を向上させるため、システムの実機運転データなどから予測モデルを構築するとともに、評価結果の比較・検証を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
機械学習を用いて地中熱交換器長さを予測するためのモデル構築を行ったが、予測精度が低く予測精度の向上が必要になったため、実機運転データを取得する必要が生じた。そのため次年度は、実機運転データ取得に必要なセンサーや収集システムの調達に使用する。
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