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2022 年度 実施状況報告書

食品ロス削減施策の効果測定 ~家庭系食品廃棄物組成調査を用いた社会実験研究~

研究課題

研究課題/領域番号 22K12488
研究機関帝京大学

研究代表者

渡辺 浩平  帝京大学, 文学部, 教授 (10256084)

研究分担者 山川 肇  京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10295636)
岡山 朋子  大正大学, 地域創生学部, 教授 (20418734)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード食品廃棄 / 食品ロス / ナッジ / 組成調査 / ごみ削減 / 環境配慮行動 / 効果測定 / 社会実験
研究実績の概要

本研究の主眼は家庭における食品廃棄の削減に向けた介入の効果測定にあるが、今年度は有効な介入策の検討、効果測定の手法の詳細の検討、調査地の選定と自治体への説明・打診等を行った。
介入策や測定方法については研究計画に沿って研究メンバー(代表者・分担者)の間で検討を行ってきた。介入策については最終的には協力自治体との協議で確定されることとなるが、分かりやすさ・取り組みやすさの観点から、冷蔵庫整理グッズの配布・使用奨励と、定期的な冷蔵庫内の写真撮影の提案が最有力候補となった。
方法論の詳細については、国内外の学会発表のほか、本研究メンバーが委員を務める European Consumer Food Waste Forum (ECFWF) における議論においても本研究会の手法を紹介し、それが妥当でありECFWFも推奨する方法として合意を得ることができた。また同じく本研究メンバーが参加する UNEP Asia Pacific Food Waste Working Group においても、報告・検討がなされた。
食品廃棄物組成調査手法の詳細については、東京都内を中心に国内で実施された組成調査に多数立会い・視察を行い、これらの事例から手法改善へのヒントを得ることができ、またこれらの調査を請負った事業者に本研究の意図・趣旨を説明し、本研究の補助事業者としてそれに沿って正確な調査が可能かを確認した。
調査地については、東京都内の自治体での実施の方向で複数の自治体に説明・打診を行い、多摩地区と23区内の2自治体が実施可能な候補となったが、実験区と類似した特性の対象区の設定の容易さや、以前から食品廃棄削減への介入策について区と共同研究を行ってきた経緯から23区内のA自治体を最終候補として調整を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ対応で計画どおりに進捗しなかった点もあり、食品廃棄削減の社会実験の開始までには至らなかったが、実施する自治体や導入する介入策、依頼する補助事業者等の絞り込みについてほぼ固めることができた。

今後の研究の推進方策

今年度は食品廃棄削減の社会実験を実行し、その前後で実験区・対照区において質問紙調査・排出ごみ組成調査を行うことで効果測定のデータを採取する。
効果測定について、既存研究で介入策に顕著な効果があったと報告されているものは食品廃棄への関心が高いと考えられる有志の参加者を対象にしたものがほとんどであることがわかり、被調査者のバイアスが懸念された。本研究のように対象地区全体を対象とすることでそのバイアスを避けた場合、効果の有無を判別するには可能な限り調査対象者を増やす必要があることが認識された。そのため、他の支出項目への出費をできるだけ節約し、社会実験と効果測定、特に費用のかさむ廃棄物組成調査に予算を傾注する予定である。
本研究のメンバーが参加する他の研究事業において地方都市での家庭系食品廃棄の調査が行われているため、それとの比較可能性から他の地方都市(愛知県内・山形県内)での実施も検討したが作業員の旅費が嵩む等の事情で敬遠することとなり、東京都内で実施すべく準備されている。

次年度使用額が生じた理由

当初予定では2022年度中に社会実験前の質問紙調査の本調査を行う予定であったが、実験の直前に行った方が良いという判断になり、2023年度に延期した。また既存研究の精査等により、統計的に有意な分析結果を得るためには社会実験で当初予定よりも対象世帯数を多く確保することが必要であることがわかり、本研究費による2022年度の出費はできるだけ節約し、2023年度の組成調査等の費用の増分に充てることとした。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] ウィーン農大(オーストリア)

    • 国名
      オーストリア
    • 外国機関名
      ウィーン農大
  • [国際共同研究] ボローニャ大(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      ボローニャ大
  • [国際共同研究] Waste Reduction Action Programme/Zero Waste Scotland/リーズ大(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      Waste Reduction Action Programme/Zero Waste Scotland/リーズ大
  • [国際共同研究] ワーヘニンヘン大(オランダ)

    • 国名
      オランダ
    • 外国機関名
      ワーヘニンヘン大
  • [国際共同研究] International Food Waste Coalition(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      International Food Waste Coalition
  • [国際共同研究]

    • 他の国数
      6
  • [学会発表] Measuring the effectiveness of an intervention for reducing avoidable food waste from households2023

    • 著者名/発表者名
      Kohei Watanabe, Tomoko Okayama
    • 学会等名
      5th Symposium of International Waste Working Group Asian Regional Branch
    • 国際学会
  • [学会発表] Effectiveness of goods and ICT for managing food in refrigerators on the reduction of avoidable food waste2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Okayama, Hajime Yamakawa, Kohei Watanabe, Maki Nonomura, Yasuko Seta
    • 学会等名
      9th 3R International Scientific Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Interventions to Prevent Household Food Waste with Supporting Tools: Evaluation by Cloud-Based Weighing System2023

    • 著者名/発表者名
      Yasuko Seta, H. Yamakawa, T. Okayama, K. Watanabe, M. Nonomura
    • 学会等名
      9th 3R International Scientific Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 家庭での食品廃棄削減に有効なナッジ策の検討2022

    • 著者名/発表者名
      渡辺浩平、岡山朋子、北坂容子
    • 学会等名
      第33回廃棄物資源循環学会研究発表会
  • [学会発表] 冷蔵庫管理アプリ・冷蔵庫内写真を用いた介入の家庭系食品ロス削減への効果2022

    • 著者名/発表者名
      福森未南子、瀬田康子、後藤翔子、山川肇
    • 学会等名
      第33回廃棄物資源循環学会研究発表会
  • [備考] SDG12.3研究会ウェブサイト

    • URL

      http://sdg123.starfree.jp/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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