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2022 年度 実施状況報告書

ライフサイクルを通じた環境・社会・経済的側面の統合的評価実施基盤の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K12491
研究機関立命館大学

研究代表者

中野 勝行  立命館大学, 政策科学部, 准教授 (10620966)

研究分担者 田原 聖隆  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (10344160)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードライフサイクルアセスメント / 社会影響評価 / 労働災害 / リスクアセスメント / サプライチェーン管理
研究実績の概要

ライフサイクルを通じた社会的側面の評価はソーシャルLCAと呼ばれる。ソーシャルLCAでは、労働者、地域コミュニティ、子供などのステイクホルダーカテゴリ別に評価を実施する。本年度においてはまず労働者への影響について着目し、既存LCAインベントリデータベースへの関連データの追加し、評価手法について検討を行った。具体的には、産業別の労働災害データは厚生労働省等の統計データを用い、インベントリデータベースの各プロセスにおける潜在的な影響を定量化した。ソーシャルLCAにおいてはインパクトパスウェイアプローチとレファレンススケールアプローチと呼ばれる2種類の評価アプローチが存在している。そこで、同じデータを両アプローチで評価し、自動車産業等を例として結果への影響等について考察した。その結果、インパクトパスウェイアプローチでは障害調整生存年(DALY)等の単位で計算が可能であるため、既存の環境影響評価手法で算定されるDALYと合算が可能になるなど、環境面を評価するLCAと親和性が高いことが示された。一方、レファレンススケールアプローチでは評価対象のリスクの高低が明瞭に示されることが示された。同じデータであっても採用するアプローチによって得られる知見が異なるため、必要に応じて採用するアプローチを選択することが望ましいことが明らかになった。今後は他の社会的側面についてもデータ整備、評価手法の検討を進めるが、その際には可能な限り両アプローチに対応できるよう検討することが望ましいことが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は初年度であるため、試行的に労働者への社会的リスクに着目してデータ整備と評価手法の検討を行った。成果を国内学会等で発表した他、2023年度に開催される国際会議へ向けて成果を投稿した。

今後の研究の推進方策

国内外の労働者へのリスクに加え、他の社会的側面についてデータ整備を行い、事例研究を実施していく。また学会等で成果を随時発表すると同時に、国内の類似課題研究者と意見交換を行う。

次年度使用額が生じた理由

2022年度はデータ整備を主に研究実施者が実施したため、人件費の使用が抑制された。次年度以降のデータ加工等に当該予算を充当する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 企業におけるライフサイクルアセスメントの高度化2023

    • 著者名/発表者名
      中野勝行
    • 雑誌名

      日本包装学会誌

      巻: 32 ページ: 55-61

  • [学会発表] ソーシャル LCA へ向けた積み上げ法に基づくデータベース構築方法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      中野勝行, 塚原建一郎, 田原聖隆
    • 学会等名
      第18回日本LCA学会研究発表会

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公開日: 2023-12-25  

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