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2022 年度 実施状況報告書

カーボン・ニュートラルと地域課題への対応に向けたバイオ炭の普及に関する包括的検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K12499
研究機関島根県立大学

研究代表者

伊藤 豊  島根県立大学, 地域政策学部, 准教授 (00633471)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワードバイオ炭 / 放置竹林 / 剪定枝 / 環境教育 / 島根 / 秋田 / 高大連携 / 温暖化
研究実績の概要

本研究の目的は、バイオ炭の活用に関する課題を農地施用に焦点をあてて検証し、その利用拡大に向けた政策提言を行うことである。現在、農業部門でのCO2排出量の削減に向けて、生物由来資源を炭化したバイオ炭を活用した炭素貯留・固定効果が期待されている。国内ではバイオ炭の施用に関するJ-クレジット制度の進展や、一部地域でのバイオ炭施用、農地で収穫された農作物の販売などの事例はあるものの、バイオ炭の全国的な活用は進んでいない。そこで今年度は、バイオ炭の認知拡大を目的とした活動を行い、研究の実施に必要な地域的な基盤を構築することを行った。対象地域はバイオマス資源が豊富で、農業を行うにあたり地理的な条件が異なっている島根県と秋田県に設定した。農業従事者と実際にバイオ炭を製造し、バイオ炭の品質証明の取得、農地施用、温暖化貢献農作物の栽培および認証の取得に関するフローを実施した。また、行政や製炭事業者へのヒアリング、他の研究機関との連携を通じて、地域内での循環モデルの構築に必要なアクターとのつながりや共同研究者を得ることもできた。
主な活動実績として、機関紙愛農、秋田果樹通信への記事の掲載、島根県浜田市でのバイオ炭の普及に関する講演および説明会の開催、島根県大田市での高大連携活動の一環としてのバイオ炭の製造、島根県雲南市での行政と農業従事者とのバイオ炭の普及に関する説明会、島根県海士町でのグローカルプログラム研修生への指導などが挙げられる。
今後は、申請目標であった以下の3つの研究に取り組む予定である。
(a) 消費者を対象とした、バイオ炭施用農地から収穫された農作物の選好に関する検証
(b) 農業従事者を対象としたバイオ炭の農地施用に関する課題と条件の抽出
(c) バイオ炭製造事業における経済および技術的課題の抽出と製炭ビジネスモデルの整理

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒアリングや学会への参加、地域住民へのバイオ炭に関する説明会などを実施することにより、島根県および秋田県内において、研究計画を実施するにあたって不可欠な地域の協力者を得ることができた。
本申請で対象としているバイオ炭については、カーボンマーケットの世界的な普及や、国内でのカーボンプライシングの導入、クレジット取得ルールの多様化など刻々と変化しており、最新の情報へのキャッチアップが必要不可欠である。2022年度にバイオ炭のコンソーシアムに加わり、地域モデル部会の運営メンバーに参加できたことで、上記の点についても補完しながら進められると考えている。

今後の研究の推進方策

バイオ炭コンソシアムの地域モデル部会等の活動に参加することで国内でのバイオ炭の活用について広くモデルの収集を行うと同時に、普及についてネックとなっている主な課題を抽出する予定である。また、農家のバイオ炭施用のインセンティブになりうる、施用農地で収穫された農作物の付加価値に関する消費者選好についても、アンケート調査を通じて検証する予定である。また、バイオ炭の認知向上を狙いとした環境教育にも島根県大田市の小学校および浜田市の大学で取り組む予定である。浜田市では実際に大学周辺の農地を借りて、学生が製造したバイオ炭を農地に施用し、農作物を生産するプロセスを経て、クレジットの取得および販売についても検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 持続可能な社会に向けたバイオ炭の活用2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤豊
    • 雑誌名

      月刊 愛農

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] バイオ炭を活用した温暖化対策2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤豊
    • 雑誌名

      秋田果樹通信

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] りんご枝の炭でCO2の削減を図る2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤豊
    • 雑誌名

      秋田果樹通信

      巻: - ページ: -

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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