研究課題/領域番号 |
22K12500
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
岩見 麻子 熊本県立大学, 総合管理学部, 准教授 (80750017)
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研究分担者 |
小杉 素子 静岡大学, 工学部, 准教授 (20371221)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 気候変動 / 地域適応策 / ヒアリング調査 |
研究実績の概要 |
本研究では熊本県を対象に,実感している気候変動の影響や取り組んでいる適応策などの県民の意識を概観するとともに,熊本県の地域性を明らかにすることと,県内地域において取り組まれている適応策やその導入経緯,普及・阻害要因など適応策の実施状況を構造的に把握することを目的としている.2022年度は主に下記の項目を実施した. 1.オンライン質問紙調査の調査項目の検討:熊本県を対象に2023年度実施予定の調査の質問項目を検討するために,2021年に実施した郵送による質問紙調査の結果の分析をおこなった.その結果,全国調査と比較した際の熊本県民の特徴は,気候変動への知識・関心・リスク認知が高い人が多く,対策行動の実施率が高い点であることが示唆された. 2.ヒアリング調査:地域で実施されている適応策を把握するために,芦北町を対象としてヒアリング調査を実施した.農業や林業,水産業,畜産業,観光業など,同町の主要産業に携わる主要なキーパーソンと,行政関連部局の合計16件についてヒアリング調査を実施した.その結果,気温の上昇や豪雨災害の発生,病害虫による被害・獣害の増加などの影響を同町のキーパーソンらが実感していることや,気温の上昇に伴い作業工程の増加や作業時間の変化,設備の追加など実施されている適応策を把握することができた.加えて,地域内循環の仕組みの必要性や他業種間での連携・目標の共有など,今後必要な取り組みについても情報を収集することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始時の研究計画に基づき,おおむね順調に研究を遂行している.当初の予定通り2022年度はプレ調査として芦北町を対象としたヒアリング調査を実施した.ただし,当初2022年度に実施予定であったオンライン質問紙調査は他調査との調整により時期を変更することとなった.他調査で得られた知見を反映した上で,2023年度に実施する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,熊本県民を対象としたオンライン質問紙調査の実施と2022年度に実施したヒアリング調査の分析を実施する予定である.まずオンライン質問紙調査については,調査項目を精査した上で実施,これまでに実施した全国調査・他県での調査の結果と比較することで熊本県の地域性や県内市町村による違いなどを把握する.特にヒアリング調査で対象とした芦北町について特徴を把握し,対象地域の位置づけを明確にする.またヒアリング調査の分析については内容分析を実施するとともにテキストマイニングによる構造化を試みる.
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に予定していたオンライン質問紙調査の実施時期を延期したため次年度使用額が生じた.同調査は2023年度に実施予定である.
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