• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

権威主義大国における経済発展:ロシアと中国

研究課題

研究課題/領域番号 22K12521
研究機関上智大学

研究代表者

安達 祐子  上智大学, 外国語学部, 教授 (90449083)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードロシア / ロシアと中国 / 権威主義的資本主義 / 非公式性 / 国家と企業
研究実績の概要

権威主義は経済成長に資するのか。権威主義体制と経済発展との間柄にはどのような特徴があるのか。経済成長は権威主義体制の脆弱性を高めるか。本研究は、近年影響力を増す権威主義体制国家について、その代表格である大国、ロシアと中国を中心に、権威主義体制と経済発展の関係を体系的に明らかにすることを目的としている。権威主義体制の研究は、主として「民主主義の後退と権威主義の台頭」という政治的文脈で進んでいるが、経済発展と権威主義体制の関連を正面から検証した成果は不十分な状況にあるといえよう。
権威主義国家が関心を集めているのは、経済大国となった中国の躍進がある。分析対象として中国に関してこれまでに蓄積された研究に比べ、ロシアについては体系的によく知られていないことが多い。ロシアも中国も国家主導型で市場経済を導入した大国として共通性もあるが、違いも多くあり、その比較検証の研究成果も十分ではないだろう。そこで本研究では、ロシアと中国における「権威主義体制と市場経済の結合」を支えるメカニズムの比較分析を試みる。その際に軸となるのが、国家と企業、政府と企業家との間に生成させる特有の相互浸透関係を踏まえた分析である。具体的には、国家による経済への関与をフォーマル(公式)とインフォーマル(非公式)な制度や慣行の連関を手がかりとして解明するのが目的である。
初年度の実績としては、ロシアに関するうごきを中心に、論文や報告を行なった。複数の査読誌への掲載が実現し、国内外での研究報告も行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

年度内にロシアで在外調査を予定していたが、ウクライナ侵攻により、現地調査が難しくなった。ヒアリング調査の方法について再検討中である。

今後の研究の推進方策

引き続き、「権威主義体制と市場経済の融合」を支えるメカニズムについて、議論をより精緻化させる。「公式・非公式の連関」についても、比較分析に耐えうる考察を行う。

次年度使用額が生じた理由

2022年2月に生じたロシアのウクライナ侵攻により、2022年度中に予定していたロシアへの渡航が中止となり、その費用を次年度に繰り越さざるを得なくなりました。次年度の研究調査(ヒヤリングや資料収集)を実施する際に活用する計画である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] プーチン政権下における国家産業支配と企業管理2023

    • 著者名/発表者名
      安達 祐子
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Comparative Economics

      巻: 60 ページ: 1_1~1_12

    • DOI

      10.5760/jjce.60.1_1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Legal Weakness, Investment Risks, and Distressed Acquisitions: Evidence from Russian Regions2022

    • 著者名/発表者名
      Iwasaki Ichiro、Adachi Yuko
    • 雑誌名

      Comparative Economic Studies

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1057/s41294-022-00203-5

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] プーチン政権とオリガルヒ2023

    • 著者名/発表者名
      安達祐子
    • 学会等名
      広島市立大学広島平和研究所「ウクライナへの軍事侵攻と国際社会への影響」プロジェクト研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] プーチン政権下の産業支配とインフォーマル・ガバナンス2023

    • 著者名/発表者名
      安達祐子
    • 学会等名
      一橋大学経済研究所ロシア研究センター・経済制度研究センター・共同利用共同研究拠点共催コンファレンス「世界秩序転換期における新興市場」
  • [学会発表] ウクライナ戦争とロシア経済2023

    • 著者名/発表者名
      安達祐子
    • 学会等名
      日本国際フォーラム・ロシアの行動倫理と日本の対露戦略研究会
  • [学会発表] プーチン政権下のロシア企業支配とインフォーマル・ガバナンス2023

    • 著者名/発表者名
      安達祐子
    • 学会等名
      ロシア中央アジア研究会
  • [学会発表] ロシアの国家による支配・企業管理2022

    • 著者名/発表者名
      安達祐子
    • 学会等名
      2022年度比較経済体制学会第62回全国大会
    • 招待講演
  • [学会発表] ロシアにおける企業取締役の兼任関係の研究2022

    • 著者名/発表者名
      安達祐子
    • 学会等名
      比較経済研究会・福岡ワークショップ
  • [学会発表] Russia's Oil and Gas Pivot to Asia in the Arctic?2022

    • 著者名/発表者名
      Yuko Adachi
    • 学会等名
      Crisis, Transition and (De)Globalization in the Offshore O&G Energy Value Chain KL Conference

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi