研究実績の概要 |
コロナ禍の影響がまだ残る中、国立民族学博物館においてカンボジアの漁業と生活に関する資料収集を行い、高知大学の研究者と意見交換を行った。カンボジア王国水産局と連携し、現地の既存データの収集を行った。また、カンボジア王国のコロナ禍における観光客数の増減ならびにカンボジア政府のおこなったコロナ禍対策について資料を収集した。 カンボジア沿岸における小規模漁業の実態調査報告として、漁獲物の種類と価格、これらの 年間変動についての情報、ならびに漁獲物の流通と価格決定システムについて、原著論文「CHIN Leakhena, Mina HORI, Tsutom MIYATA, Hiroshi SAITOH, PHEN Bunthoeun, Satoshi ISHIKAWA,Fishery Catch Distributions of Small-Scale Marine Fisheries in Cambodia, Bull. Inst. Oceanic Res. & Develop., Tokai Univ.(2022), 44, 1-24」を発表した。 この中で、大まかな海産物の流通経路ならびに価格決定システムについては整理を行えた。また、沿岸漁業者にとって観光客への直接販売は、収入源として大きなウェイトを占めていることが分かった。 加えて、現地での小規模漁業の変化として漁具の多様化の内容を、日本水産学会春季大会にて「Leakhena CHIN、宮田勉、齋藤寛、石川智士、カンボジア国沿岸小規模漁業に見られる漁具の多様化について、品川、東京海洋大学、2023年3月30日」と題したポスター発表を行った。今後の調査について、次回の現地調査では、沿岸に開設されている魚介類市場の動向に注力することを決め、質問票の作成と調査対象者の選定について準備を開始した。
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