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2023 年度 実施状況報告書

南部アフリカの文化動態にみる国家社会関係:冷戦期文化政策と体制転換後の知の還流

研究課題

研究課題/領域番号 22K12535
研究機関独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所

研究代表者

網中 昭世  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センターアフリカ研究グループ, 研究員 (20512677)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード国家社会関係 / アフリカ / 国家 / 文化 / 文化政策 / モザンビーク / 移民 / 無形文化遺産
研究実績の概要

2年目の2023年度は、5月に前年度の調査分析ならびに研究報告の場で得られたコメントを踏まえ、本研究課題の中間報告として日本アフリカ学会で報告を行った。
5月~翌年1月にかけては研究協力者であるモザンビークの民族音楽研究家・奏者の現地で行ったインタビュー・データの分析を随時行った。それと並行し、前年度に資料調査を行った国立民族学博物館所蔵の人類学的資料映像(Encyclopedia Cinematographica: EC)フィルム・コレクションの調査を行い、11月に招聘した研究協力者とともに視聴・分析した。
6月から7月にかけては1年目から継続していたモザンビーク国立歴史公文書館での資料収集を行った。また、研究協力者とともに、研究課題の対象である民族芸能が行われていた南アフリカの鉱山地帯での調査を行った。調査では、アパルトヘイト時代の南アフリカにおいて労務管理の観点から文化活動を奨励していた鉱山会社の移民労働者の居住空間であるホステル管理者に聞き取り調査を行ったほか、ホステル内部を視察し、文化活動が行われた内部の構造や、労働者への聞き取りを行った。
11月には研究協力者を招聘し、日本国内所蔵の資料調査を行った他、初年度に入手した資料を用いたアウトリーチを行った。
さらに12月~翌年1月にかけては、アフリカの文化遺産研究の代表的研究者であり、国際記念物遺跡会議(ICOMOS/ International Council on Monuments and Sites)メンバーである社会人類学者Shahid Vawda氏と複数回の意見交換を行い、文化遺産研究という文脈における本研究課題の位置づけについても検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現地調査において、調査対象機関(鉱山企業)から想定していた以上の理解と協力を得られ、機関内部の視察が可能となり、貴重な情報が得られた点は大きい。
また、研究期間の中間地点である2年目に、文化遺産研究の第一人者との意見交換を通じて、本研究課題を課題設定時点からは異なる角度から位置づける機会を得られたことも最終年度の成果の方向性を考える上で大変有益であった。

今後の研究の推進方策

3年目は2年目のモザンビーク国立歴史公文書館調査で閲覧可能との情報を得た新たな史料の発掘を行う。また、文化政策を通じた社会国家関係という分析枠組みを補強するため、東アジア・日本における類例を補助線として参照しつつ、学会発表・投稿のための原稿執筆を行う。

次年度使用額が生じた理由

2023年度の使用については、特に旅費の中でも多くを占める国際線航空券代が全般的に高騰傾向にあったことに加え、為替の変動を念頭に、年度前半には研究代表者ならびに招聘予定の協力者の航空券代予算などを十分に確保しておく必要があった。そのため結果的にに生じた次年度使用額は次年度の資料購入など充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 文化と政治の緊張関係ーモザンビーク・南アフリカを越境するショピの民族芸能ティンビラー2023

    • 著者名/発表者名
      網中 昭世
    • 学会等名
      日本アフリカ学会

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公開日: 2024-12-25  

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