研究課題/領域番号 |
22K12548
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
高安 雄一 大東文化大学, 経済学部, 教授 (20463820)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 外国人季節労働者制度 / 江原道 |
研究実績の概要 |
2022年度は、周年労働が必要ない農業分野に対応するために創設された外国人季節労働者制度について考察を行った。江原道は外国人季節労働者制度を広域自治体のなかで最も積極的に利用している。そして基礎自治体についてみると、全国で56の基礎自治体において外国人季節労働者制度を積極的に利用しており、そのうち江原道が11を占めている。よって2022年は江原道を中心に分析を行い、以下のことがわかった。 江原道において積極的に外国人季節労働者制度を使用している基礎自治体では、全国と同様、農業従事者の高齢化、また農業従事者の人数減少に直面している。また、季節外国人労働者が従事している主な農作物は、各基礎自治体で生産している農家の割合が高い農産物、あるいは生産額が多い農産物である傾向がみられる。 しかし、各基礎自治体で生産している農家の割合が高くない農産物、あるいは生産額が多くない農産物であっても、関連する作業に季節外国人労働者が従事していることは珍しいことではない。季節外国人労働者の主な送出国は全国同様、特定の国に集中しており、フィリピンが多い。また、季節外国人労働者を受入れている理由は農業部門の人手不足である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本調査においては、周年労働が必要ない農業分野に対応するために創設された外国人季節労働者制度について考察を行うものであるが、2022年度は、外国人季節労働者制度を広域自治体のなかで最も積極的に利用している江原道について、農業従事者に関してどのような状況にあるか、どのような農産物を生産しているか、生産額が多い農産物に季節外国人労働者が従事しているのか、どのような国から季節外国人労働者を受け入れているかなどについて分析することができた。よって計画通り研究が進んでいるということができる。
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今後の研究の推進方策 |
周年労働が必要ない農業分野に対応するために創設された外国人季節労働者制度については、江原道が最も積極的に制度を利用しているが、季節外国人労働者の割合が農業従事者の割合を上回っているなど、制度を積極的に利用している広域自治体は、江原道のほかにも、忠清北道、全羅北道、全羅南道の3つがあることがわかった。そこで今後は、これらの広域自治体についても分析を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
韓国に夏季と冬季の2回現地調査を行う予定であったが、夏季については、韓国入国にビザが必要であり、現地調査の日程にビザ取得が間に合わず断念した。2023年度以降に、2022年度に行えなかった現地調査を行う予定である。
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