研究課題/領域番号 |
22K12575
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
辻 智佐子 城西大学, 経営学部, 教授 (70383172)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 産業集積 / イノベーション / タオル / 今治 / 泉州 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、産業集積地の事例として二大タオル産地(今治・泉州)をとり上げ、集積内の技術・商品開発などのイノベーションがどのような集積の効果から生じているのかを明らかにし、分業体制でモノづくりに取組む中小企業によるイノベーション・ネットワークについて歴史的変遷を踏まえつつ、その構造を明らかにすることである。令和5年度については、泉州タオル工業におけるヒアリング調査を実施する予定だったが、昨年度に引き続き、今治タオル工業に関して、1つに特許データに出願はないが産地のイノベーター的存在の技術者、商品開発を積極的におこなっている企業へのヒアリングを実施する、2つに特許等を一部取得している技術者、企業に対してヒアリングを実施した。上記の目的、スケジュールのもとで、令和5年度においては、その成果を以下のように紀要論文および学会報告にて公表した。 1. 論文「今治タオル工業における技術および分業構造の変化(2):1960年代〜1970年代初頭」『現代社会研究』21号、東洋大学現代社会総合研究所、2024年3月、71-83頁。 2. 学会報告「1960 年代から 1980 年代の工 業系公設試験研究機関の機 能と役割:愛媛県染織試験場 を中心に」経営史学会第 59 回全国大会、熊本学園大学、12月2日(土)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度については、当初の予定では泉州タオル工業に焦点を当てて情報収集する予定であったが、昨年度に引き続き今治タオル工業の調査研究に多くの時間を費やしたため、泉州タオル工業に関してはやや遅れている。同業者団体や個々のメーカーなど調査対象が多岐に渡るため、まずは今治タオル工業に関する研究成果をまとめた上で、泉州タオル工業のヒアリングに注力したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、今治と泉州のタオル工業における産業集積とイノベーションの関係について、個人や同業者団体等の関係者にヒアリングを実施するとともに、資料収集・分析を行いながら歴史的に考察していく。その内容を時代ごとに整理し、成果を論文等で公表していく予定である。
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