研究課題/領域番号 |
22K12576
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
小野塚 和人 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (30706792)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | オーストラリア / 移民政策 / 難民 / 地域活性化 / 地方創生 / 地域社会学 / カレン人 / ミャンマー |
研究実績の概要 |
2022年度は、8月と9月に、オンラインによる聞き取り調査を行い、3月に豪州での現地調査を実施できた。また、2022年度を通じて、関連する移民研究の先行成果、政府やシンクタンクが刊行した研究レポートのレビューを行った。 2022年9月には、新型コロナウイルスの感染拡大と渡航制限のなかで、豪州の農村部で発生した労働力不足を補填する対処策として、太平洋諸島からの一時移民を登用する方策を考察した成果を投稿した(「コロナ禍のオーストラリアにおける園芸農業部門での労働力不足への対処策―太平洋諸島からの外国人労働者受け入れ制度の考察―」『グローバル・コミュニケーション研究』)。渡航制限が実施される前は、ワーキングホリデー渡航者が、とりわけ園芸農業部門での収穫期の一時労働力として活躍していた。しかし、渡航制限によってワーキングホリデーでの滞在者数は大きく減少した。その補填策として、太平洋諸島からの労働力が用いられるようになった。太平洋諸島からの労働者の登用に関しては、現場での処遇を含め、解決すべき課題が複数存在することを論じた。 2023年3月には、豪州カタニングとパース、ならびに、周辺自治体において現地調査を実施することができた。現地の難民コミュニティの方々のご支援とご協力を賜り、予想よりも遥かに多くの方々と面談をさせて頂くことができた。そして、本研究の成果を単著として刊行すべく、出版社から刊行の内諾を2022年12月に得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画では、2022年度中には、国際電話やオンラインでの聞き取りを予定しており、現地調査を対面で実施できることを予想していなかった。幸いにも、感染状況が改善し、年度末に調査を実施することが出来た。また、現地の難民コミュニティとそのリーダー格の方々のご厚意とご尽力によって、数多くの方々と面会させて頂くことが出来たためである。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に基づき、予定通り作業を継続する。現地調査を継続して実施するとともに、本研究の成果を単著として刊行させる。 2023年度は、7月までの期間に現地調査の成果を整理する。随時、国際電話を用いて、追加質問を行う。2023年8月から9月の期間は、カタニングでの現地調査を実施したい。10月から2月までは、現地調査の成果を整理する。同時に、国際電話を用いて、追加質問を行う。3月に、カタニングでの聞き取り調査を完了する。 2024年度は、研究論文と成果報告書、ならびに単著を刊行させる。国際電話で、最終的な事実関係を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品は、購入予定であったパソコンに関して、価格が高騰し、入手に時間がかかるため、購入を延期している。この物品は2024年度までに購入予定である。 旅費は、2022年の8月から9月の期間に予定していた現地調査に関して、新型コロナウイルスの感染状況が思わしくなく、中止することになった。旅費は、2023年度の夏季と冬季の現地調査、ならびに、学会報告のために用いる予定である。 人件費や謝金は、研究代表者が自ら作業をする割合が想定よりも増えたため、費用が抑えられている。今後は、研究計画通り、インタビューの文字起こしや調査への謝金・謝礼として用いる予定である。
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