研究課題/領域番号 |
22K12582
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研究機関 | 千葉県立中央博物館 |
研究代表者 |
島立 理子 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (00332354)
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研究分担者 |
川村 清志 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (20405624)
大久保 悟 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, グループ長補佐 (30334329)
吹春 俊光 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (50250147)
小田島 高之 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (70250131)
柴崎 茂光 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90345190)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 植物方言 / 植物利用 / 民俗知 |
研究実績の概要 |
初年度として、データベースづくりのために「日本植物方言集成」及び「千葉県の植物」のデジタル化を行い、「日本植物方言集成」については、入力をほぼ終わらせることができた。この結果、同じ県内でも呼ばれ方はさまざまであるとがわかった。 また、遠く離れていても同じ名称で呼ばれていることもあった。この植物方言の分布には、単に地理的な問題だけではないことが確認された。その裏には、人々の利用の仕方、かかわり方、伝播してからの年数の違いなどがあることが予想される。 写真の整理、デジタル化を行うとともに、植物の同定作業を行った。その結果、地域の植生は、わずか数十年で大きく変化することがわかった。植生の変化は、人々と自然のかかわりのあり方のが数十年で大きく変化することを示唆している。植物方言と植生との関係を調べていくことによって、地域の植生や人と自然のかかわりの変化について知ることができることを示唆している。 さらに、秋田、新潟、高知、千葉の露店市のおいては、山菜やキノコが植物方言によって取引されていることがわかった。特にキノコの場合は、数種類のキノコを、同じ方言で呼び、混ぜて販売している。販売している人も、購入する人も数種類があることを承知で同じ名称で呼んでいることがわかった。ここからも、地域を総合的に理解するために、植物方言が重要なツールになることがわかる。 来年度以降については、データベースの作成にかかり、具体的な活用方法について検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
写真の整理、植物方言のデジタル化は概ね良好に進んでいるが、現地における調査をほとんど行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、現地調査と合わせ、どのような植物が地域でどのように使われ、どのように呼ばれているかを検討し、データベースの構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
他業務が重なり、調査へ行くことができず、旅費を消化することができなかった。
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