研究課題/領域番号 |
22K12623
|
研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
下嶋 聖 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (60439883)
|
研究分担者 |
國井 洋一 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (10459711)
土屋 薫 江戸川大学, 社会学部, 教授 (60227428)
大久保 研治 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (60398815)
町田 怜子 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (90724675)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | Web-AR / スマートフォン / GIS / 景観解析 / フットパス / 人流ビックデータ / 囲繞感 |
研究実績の概要 |
本研究は,地理情報システム及び拡張現実感(AR)技術にみる一連の空間情報技術を活用し、自然地域内のトレイル上の自然資源や観光情報についてweb空間に環境整備を行うと共に、持続的自然資源管理に向けた情報提供システムの開発を行うことを目的としている。 2年目にあたる2023年度は,調査②「尾瀬国立公園におけるトレイル資源調査及びWeb-ARシステム利用の評価調査」及び調査③「阿蘇くじゅう国立公園における展望地を対象とした資源調査及びWeb-ARシステム利用の評価調査」の実施を位置付けている。 まず調査対象地である阿蘇くじゅう国立公園における阿蘇地域を対象に、展望地及び資源調査として、国立公園内の展望地の抽出と位置情報の取得のため、当該公園計画図を入手し、ジオレファレンスを行い、図面上の公園施設のジオコーディングを行い、GISデータ化を行った。公園施設の数、種類について、場所および数量を把握し、利用者に提供される施設面からみた観光資源の実態と現状の課題について、把握及び整理を行った。その後、展望地における眺望景観の景観解析を行うため、DEM(数値標高モデル)データを活用した景観工学的な基礎解析を行った。 一方、調査対象地の一つである多摩丘陵を対象に、谷戸地形における里山景観の囲繞感に関して、SAR画像を用いたDCM(Digital Canopy Model)の取得について解析を行った。その結果、SAR画像によるDCMの生成は可能であるものの、精度検証を行い、実体性の伴う手法の検討が課題となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでWeb-ARシステムを用いて、スマートフォンへの実装については,最新バージョンのOSやプログラム等において環境整備を行った。また調査対象地である多摩丘陵フットパスにおける資源調査を実施し,人流ビックデータを用いた多摩丘陵フットパスの利用実態の把握と多摩丘陵の地形的特徴である,谷戸地形における里山景観の囲繞感に関してGIS解析を行った。 しかしながら2年目に位置づけていた,調査②「尾瀬国立公園におけるトレイル資源調査及びWeb-ARシステム利用の評価調査」について、2023年の途中(10月)から在外研究の機会を得ることができたため、時間的な制約上、実施ができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2年目で実施する予定であった,調査②「尾瀬国立公園におけるトレイル資源調査及びWeb-ARシステム利用の評価調査」,及び調査③「阿蘇くじゅう国立公園における展望地を対象とした資源調査及びWeb-ARシステム利用の評価調査」の調査について、2024年後半に実施する。ここでは1年目で安定化を行ったWeb-ARシステムを用いて、社会実装の検証を目的に異なる性質をもつ国立公園におけるWeb-ARアプリに対する使用感や機能評価を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
初年度はスマートフォンに実装した形でWeb-ARアプリに対する使用感や機能評価を行う予定であり,その際使用するSIMフリー端末を購入する予定でいた。しかし当初現地調査を1年目及び2年目に実施する予定であったが,研究代表者の依命留学(在外研究)と重なったため、購入を見送った。また併せて現地動作確認ためのノートPCの購入も見送った。そのため使用金額に差額が生じた。また3年目である本年度は,遠隔地での調査を予定しており,その旅費等に充て執行する予定である。
|