研究課題/領域番号 |
22K12656
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
秋林 こずえ 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (90377010)
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研究分担者 |
宜野座 綾乃 琉球大学, 島嶼地域科学研究所, 准教授 (20786545)
文 京洙 立命館大学, 国際関係学部, 授業担当講師 (70230026)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 在韓米軍基地村 / 長期駐留軍 / 軍事性暴力 / 済州四・三 / 軍事主義 / 島嶼フェミニズム / 脱軍事化 / 在沖縄米軍 |
研究実績の概要 |
本研究は「「冷戦」は、軍事化され構造化された性暴力によって支えられたシステムではないか」という問いを、主に以下の2点から検討しようと試みている。①沖縄と韓国での駐留米軍による性暴力の実証研究 と処罰に関する法の運用を日米地位協定・韓米地位協定のポリティクスを中心に分析し、軍事的性暴力がどのように構造化されているか明らかにする。また、②継続している朝鮮戦争によって長期駐留軍がどのように容認され、構造化されているかを島嶼フェミニズムの視点から明らかにする。 これら2点を検討するためのテーマとして挙げたもののうち、2023年度は①沖縄での米兵による性犯罪・性暴力の実証研究に関し特に1950~70年代について資料を収集した。それによって性犯罪の不処罰の問題とともに性産業に従事する女性たちへの暴力がより明らかにさなった。②韓国での米兵による性犯罪・性暴力の実証研究については、在韓米軍基地村女性による国家損害賠償請求訴訟の判決が最高裁で確定したことを受け、原告を支援する団体による判決の意義の分析や今後の運動の方向性などに関して調査を行った。また韓米関係について、済州四・三の解決をめぐって米国の東北アジアでの政策の影響について考察を行った。③島嶼フェミニズムの視点からの冷戦の分析については、現在の沖縄での米軍の軍事活動による水の汚染という問題に取り組む脱軍事化を目指す島嶼フェミニズムの視点について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、米軍駐留地域での性犯罪や性産業、また性産業に従事していた女性たちによるフェミニスト平和運動と国際ネットワークに関する資料収集のためにフィリピンのオロンガポ市で開催された「軍事主義を許さない国際女性ネットワーク」の会議に参加した。しかしコロナウィルスに感染し、コロナウィルス感染症に罹患したためにその後数か月間、研究活動に支障をきたした。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、コロナ感染症罹患のために、進捗がやや遅れている。研究計画のテーマとして挙げている4点のうち特に③の日米地位協定と韓米行政協定の米兵の性犯罪での運用とポリティクスの分析が最も遅れているために、2024年度はこのテーマの分析を重点的に進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度はコロナ感染症に罹患のため活動に支障をきたした期間があったために次年度使用額が生じたこれは主に夏休みに東京での資料収集のために使用する予定のものであった。これについては、2024年度に同じ使用目的で使用する予定である。
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