• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

チェレンコフ回折放射光計測による高精度ビーム位置モニターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K12660
研究機関東北大学

研究代表者

南部 健一  東北大学, 電子光理学研究センター, 技術専門職員 (00422072)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードチェレンコフ回折放射光 / 非破壊ビームモニター / ビーム位置モニター
研究実績の概要

チェレンコフ回折放射光の強度は、荷電粒子と媒質(誘電体)間の距離(インパクトパラメータ)に応じて、変化する性質を有すると考えられ、この放射特性を応用した、非破壊ビーム位置モニターの基盤技術の確立と、原理実証を目指して研究を行っている。
これまでに実施した、誘電体にシリカエアロゲルや高密度ポリエチレン(HDPE)を用いた実験から、電子ビームが、中空誘電体の内筒を通過する際に放射するチェレンコフ回折放射光の強度は、インパクトパラメータによって変化することは確認できたが、理論値と大きな乖離が見られた。そのためこれらの特性をビーム位置モニターに応用するためには、理論と実験の両面からチェレンコフ回折放射光の特性を明らかにすることが必要不可欠である。
チェレンコフ回折放射光は、その放射原理から、中空誘電体の内筒を通過する電子ビームの位置が変化しても、放射されるチェレンコフ回折放射光の方位角強度分布のみが変化すると考えられる。実験装置の制約から、測定する方位角を固定せざるを得なかったが、、チェレンコフ回折放射光強度のインパクトパラメータ依存性を測定したところ、強度分布のピーク位置はほとんど変化せず、放射強度のみが変化することを実験的に確認することができた。さらに詳細な調査を行うためには、中空誘電体を保持する金属製の部品などに起因する回折放射の影響を取り除くことが必要であり、これらの部品の設計変更を行うことした。他の実験と両立するために、チェレンコフ回折放射光の取り出し方向を変える必要があったため、その準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

チェレンコフ回折放射光の特性を明らかにするために、放射強度のインパクトパラメータ依存性を測定した。解析の結果、予測通り放射のピーク位置が、インパクトパラメータによらず、ほとんど変化しないことを確認することができた。本実験は、試験加速器t-ACTSのビーム診断部で行っている。他の実験と両立するために、チェレンコフ回折放射光の取り出し方向を変える必要があり、プロファイルモニターなどを改造しなければならない。現在その準備を行っている。

今後の研究の推進方策

中空誘電体を保持する部品と、プロファイルモニターのヘッドを新規設計して、実験セットアップを再構築し、チェレンコフ回折放射光の放射強度のインパクトパラメーター依存性と分光測定を行う。

次年度使用額が生じた理由

プロファイルモニターヘッドなどの部品の設計が遅れ、製作に至らなかったために次年度使用額が生じた。当初の予定通り、これらの部品の製作に用いる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Study of Cherenkov Diffraction Radiation for Beam Diagnostics2022

    • 著者名/発表者名
      H. Hama and K. Nanbu
    • 雑誌名

      Proc. IPAC'22

      巻: 1 ページ: pp. 320-323

    • DOI

      10.18429/JACoW-IPAC2022-MOPOPT033

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] テラヘルツ領域におけるチェレンコフ回折放射の測定2022

    • 著者名/発表者名
      南部 健一, 日出 富士雄, 柏木 茂, 鹿又 健, 柴田 晃太朗, 髙橋 健, 長澤 育郎, 三浦 禎雄, 武藤 俊哉, 山田 悠樹, 山田 志門, 熊谷 航平, 濱 広幸
    • 雑誌名

      Proceedings of the 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan

      巻: 1 ページ: pp. 761-763

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Measurement of Cherenkov Diffraction Radiation for Non-Destructive Beam Diagnostics2022

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Nanbu
    • 学会等名
      15th Eco-Energy and Materials Science and Engineering Symposium
    • 国際学会
  • [学会発表] Study of Cherenkov Diffraction Radiation for Beam Diagnostics2022

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Nanbu
    • 学会等名
      13th International Particle Accelerator Conference (IPAC22)
    • 国際学会
  • [学会発表] テラヘルツ領域におけるチェレンコフ回折放射の測定2022

    • 著者名/発表者名
      南部健一
    • 学会等名
      第19回日本加速器学会年会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi