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2022 年度 実施状況報告書

20世紀におけるサンセリフ書体の発達と評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K12679
研究機関岐阜大学

研究代表者

山本 政幸  岐阜大学, 教育学部, 教授 (80304145)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードサンセリフ / 書体デザイン / タイポグラフィ
研究実績の概要

本研究は、19世紀初頭に登場したのち200年をかけて発達した近代的な欧文書体であるサンセリフ体を整理し、各時代における技術革新や用途の変化、およびデザイナーの工夫や新たなコンセプトによる形状の変化を把握することにより、デジタル・メディアにおける理想的なフォントのかたちを探ることを目指している。当該年度はまず、①これまでの調査の蓄積をもとに、19世紀における印刷産業の発展とサンセリフ体の発達の関係をたどり、宣伝広告や見出しとしての用途を目的としたディスプレイ書体としての形状の変化を明らかにした。また、②20世紀前半から米国で大きく発達したファッション誌などの大衆情報誌を中心とするエディトリアルを含むグラフィックデザインへのサンセリフ体の導入の過程を、デザイナーの活動を中心に取り上げて調査した。さらに、③活字から写植・フィルムへの技術転換が本格化する1960・70年代の米国の状況に着目し、ITC(インターナショナル・タイプフェイス・コーポレーション)社における制作内容を探るとともに、主催したハーブ・ルバリン(Herb Lubalin, 1918-81)を中心としたデザイナーたちの関係と制作した書体を追った。その上で、編集者ラルフ・ギンズバーグ(Ralph Ginzburg, 1929-2006)の依頼によって実現した『アヴァン・ギャルド』誌(1968-71)の専用ディスプレイ書体となった象徴的なサンセリフ体Avant Garde Gothicを対象として、リガチャー(合字)を手がけたトム・カーネイズ(Tom Carnase, 1939-)の活動とあわせて、その成立過程と背景を探るとともに書体デザインの特徴を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該年度は新型コロナウイルス拡大による制限も解除されつつあり、調査予定だった米国の研究機関も通常の体制に戻りつつあった。米国ニューヨークにあるニュー・スクール・アーカイブス&スペシャルコレクションとハーブ・ルバリン・スタディ・センターにて一次資料調査を行なった。ただ、計画のうちの米国内のひとつの研究機関は閉鎖されていたため、予定の一部を変更した。ハーブ・ルバリンの書体デザインについては本年度日本デザイン学会春季大会において口頭発表の予定である。

今後の研究の推進方策

本年度5月から米国入国や施設利用のあらゆる制限等が解除され、前年度に調査できなかった研究機関も利用可能となったため、再度現地における調査を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該年度は予定の研究機関が閉鎖されていたため、本年度に再び訪問・調査を実施する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ハーブ・ルバリンとAvant Garde Gothicの書体デザイン2023

    • 著者名/発表者名
      山本政幸
    • 学会等名
      日本デザイン学会

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公開日: 2023-12-25  

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