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2022 年度 実施状況報告書

透過性を有する遮蔽物と共存する光環境の解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K12685
研究機関日本大学

研究代表者

内田 暁  日本大学, 生産工学部, 教授 (50297785)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード透過な遮蔽物 / 光環境 / 主観評価 / 印象
研究実績の概要

1年目は透過性を有する遮蔽物の選定と光学特性の測定,および主観評価実験の環境構築と試行を実施した。
透過性を有する遮蔽物には,市販されている厚みと仕様の異なる5種類のビニールシートとして,タフニールからは非防炎,粉振透明,圧着透明,Dブルーを,またアキレス梨地をそれぞれ選定した。これらの遮蔽物の光学特性として,拡散反射率や測定方向に対する透過率,遮蔽物を通した場合の光源の色温度と分光分布を測定した。その結果,測定方向に対する透過率について顕著な特性を確認することができた。これらのデータは,次年度以降の主観評価実験を実施する際に反映させる。
また,実際の場面で透過性を有する遮蔽物を取り付けた状況から,遮蔽物表面に波状のシワが生じ,形状が変化していることを多く見かける。このような遮蔽物に,人工的な波状のシワを作成する方法を検討ならびに試行した。また,そのときの状態における光学特性(拡散反射率,透過率など)も測定した。その結果,遮蔽物の形状の作成方法に工夫が必要であるとともに,一部の測定結果の再現性が不十分であった。
スタートアップならびにトライアルの位置づけとした,透過性を有する遮蔽物を通した対象物の印象を評価する実験を行った。具体的には,複数人の実験参加者に協力してもらい,表面にシワなどが生じていない状態での遮蔽物の種類や観察方向をそれぞれ変化させた場合の,直接光により照射された複数種類の対象物の印象を6種類の評価項目ならびに7段階の形容詞対で評価するものである。実験結果から,遮蔽物の種類については粉振り透明が,また観察方向については真正面から水平方向に変化することで,対象物の印象が悪くなる(ネガティブな印象となる)ことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に従って,本年度は透過性を有する遮蔽物の光学特性として,拡散反射率や入射角度を変化させた場合の透過率,遮蔽物を通した可視光の色温度や分光分布の測定を実施した。また,今後実施する透過な遮蔽物を含めた実験環境における主観評価実験のスタートアップを実施した。
5種類の遮蔽物が平らな状態(シワなどがない状態)の光学特性については測定と検討が終了した。一方で人工的な波状のシワを作成して形状を変化させた遮蔽物の光学特性については,形状の作成方法に工夫が必要であり,測定結果の再現性が不十分であった。これらについては,次年度の早い段階で確認する必要がある。
主観評価実験のスタートアップについては,遮蔽物の形状を変化させない実験条件で実施した。実験結果から,遮蔽物を通して見た対象物の印象は,遮蔽物の種類だけではなく観察方向によっても変化することが認められた。これは遮蔽物の透過率と主観評価結果が相関する可能性を示唆しており,今後の研究においても継続的に検討を行う必要がある。

今後の研究の推進方策

透過性を有する遮蔽物の形状を変化させた場合の光学特性を測定したが,形状の作成方法の工夫が必要であり,測定条件によって結果の再現性が不十分であったことから,これを解決するための追加実験と結果の検討を行う。
また,主観評価実験については対象物の印象を回答してもらう評価項目(形容詞対)を6種類としていた。この理由として,実験に用いた対象物を評価するにあたって最低限必要と考えられる形容詞対としたためであった。今後は遮蔽物に人工的な波状のシワが生じた場合の主観評価実験を行うこともあり,対象物を評価する形容詞対を改めて検討する必要がある。

次年度使用額が生じた理由

本年度は既に所有している測定機器を活用することでき,新規の購入を先送りしたために次年度使用額が生じてしまった。次年度は実施予定の実験の内容に対応させて,機器や材料を購入する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 透過な遮蔽物を通した対象物の印象の評価について2022

    • 著者名/発表者名
      葛谷修己,内田暁
    • 学会等名
      2022年(第40回)電気設備学会全国大会

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公開日: 2023-12-25  

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