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2022 年度 実施状況報告書

重度視覚障害者と晴眼者が協調作業可能な仮想現実インタフェースの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K12687
研究機関神奈川工科大学

研究代表者

高尾 秀伸  神奈川工科大学, 創造工学部, 教授 (60329307)

研究分担者 片山 遼介  神奈川工科大学, 創造工学部, 研究員 (50867447)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード視覚障害 / 複合現実 / 聴覚 / インタフェース / 人間工学
研究実績の概要

提案ユーザインタフェース(UI)の人間中心設計の第1ステップとして,概念要求仕様策定のためのヒューマンファクタ検討を行った.具体的には,重度視覚障害当事者をお招きして,当事者と晴眼者の世界観の具体的な整合方法について意見を得ながらコンセプトの確認および要件定義を実施した.その結果,協調作業場面として, 食事場面を想定することとなった. 具体的には, 当事者が外出先等で自分一人で食事ができるような協調支援を行うこととした.従来,同行援護従業者用の支援内容として,1)店舗までの誘導,2)座席までの誘導,3)メニュー選択の支援,4)食器の位置情報獲得の支援,5)内容物(料理)情報獲得の支援,6)残量情報獲得の支援が挙げられる.これを参考に,本研究では特に前記4および5に関する支援内容を中心的に扱うこととした.そして,実際の食事場面を想定した聞き取り調査を実施することで,具体的にどのような形で協調支援するのが望ましいかについて要件をまとめた.また,複合現実空間のプラットフォームはMRゴーグル(Microsoft HoloLens2)を採用した.
次に作業実施環境として仮想環境構築、動作テストを実施した. 今回は研究拠点である大学周辺に想定していたキャリアによる5G通信インフラが未整備であったため, 一般的な家庭用光ネットワークを介した無線LAN仮想世界情報の試験伝送を行ったところ, 大きな遅延なく通信することができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

5G回線を使用したコミュニケーションについては,通信キャリアによるインフラ整備が想定より遅れているため,有線環境にて実施した.その点以外は概ね順調に進捗している.

今後の研究の推進方策

概念実証インタフェースの開発実装・改良 - プロトタイプ実装を行う.開発環境はUNITY等を予定。立体音響モジュールはMicrosoft Spatializerを予定. - ユーザビリティ検証を視覚障害当事者、同行援護経験者を対象に行う.ユーザビリティ評価は各種人間工学評価手法(パフォーマンス評価、行動観察法によるヒューマンエラー解析、主観評価法等)を予定.

次年度使用額が生じた理由

当初計画において,立体音響提示は三次元音場用スピーカアレイシステムを使用し,ユーザの体の向きや動きを捉えることで仮想世界内の移動および正しい聴覚定位を実現するジェスチャ・体勢認識装置としてAzure Kinect (Microsoft)を導入する予定であった.しかし,それらの機能がMRゴーグル(Microsoft HoloLens2)に内蔵されているうえ,より性能が高いことがわかったため,こちらを導入した結果,予算の差額が生じたものである.次年度は,インタフェースプラットフォームが変更になったことにより,その環境を開発・評価用にさらに整備するための周辺機器等も必要となるため,その用途に使用したい.また,旅費および人件費として執行したい.

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公開日: 2023-12-25  

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