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2022 年度 実施状況報告書

歯と肌の色から受ける顔印象に基づく性別・年齢別の歯の色選択ツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K12714
研究機関福岡医療短期大学

研究代表者

黒木 まどか  福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 講師 (00582214)

研究分担者 庄山 茂子  福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (40259700)
青木 久恵  福岡看護大学, 看護学部, 教授 (70526996)
小松 美和子  佐賀大学, 教育学部, 准教授 (80815639)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード歯の色 / 肌の色 / 色彩調和理論 / 審美歯科診療 / ホワイトニング / 歯科衛生士
研究実績の概要

人々の歯科受診の実態を明らかにするために、一般成人を対象にWeb調査を実施した先行研究では、人々が口元に抱える不満や悩みは、審美的側面に起因するものであった。しかし、歯科受診は、機能的側面の治療を目的に行われていた。口元の健康と健康美から心身の健康と生活の質の向上を図るには、歯科医療従事者が患者の口元に対する悩みや要望を聞き出すことが必要であり、歯科医療従事者の審美歯科診療に対する認識を検証する必要性が示唆された。
そこで、歯科衛生士の審美歯科診療に対する実態を明らかにすることを目的に、歯科衛生士100名を対象にWeb調査を実施した。2022年度は、調査結果を分析し、次のようなことを明らかにした。歯科衛生士は、患者の審美歯科診療に対するニーズを、クリーニング、歯冠修復物(レジン、ジルコニアなど)、ホワイトニングの順に高く捉えていた。歯科衛生士自身の審美歯科診療に対する関心と審美歯科診療に携わった経験では、「ホワイトニングに対する関心」と「ホワイトニングの診療経験」に正の相関関係が認められ、関心と経験が関連していた。また、75%の歯科衛生士が歯の色の選択に関わり、全回答者がシェードガイドを使用していた。しかし、歯の色の選択に関わっている歯科衛生士の64%は、歯の色の選択を難しいと感じていた。
一般成人と歯科衛生士を対象とした調査結果から、歯の色を客観的に選択する基準の必要性が示唆されたため、次に、人々の肌の色と歯の色の色彩調和に着目した。人々の肌の色に調和する歯の色を検討することを目的に、20歳から39歳の一般成人男性30名を対象に、4色の歯の色(VITAクラシカルシェード:0M1、A1、A3、A4)と4色の肌の色(青白、美白、標準、小麦)を組み合わせた16種類の男性モデル顔画像を提示し、歯と肌の色の組み合わせに対する調和・不調和、見た目年齢、および22項目のイメージを調査した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、歯科衛生士の審美歯科診療に対する実態を明らかにしたうえで、異なる歯の色と肌の色を組み合わせた様々な年代の男女のモデル顔から受ける印象を調査し、その結果を基に、歯科医療従事者を支援し、患者の口元の満足度とQOLの向上に貢献する歯の色調選択の基準を提案することを目的としている。
2022年度は、開業歯科医院に勤務する歯科衛生士100名を対象とした審美歯科診療に対する実態調査の結果を分析し、審美歯科診療と歯科衛生士の関わりについてまとめた。さらに、その結果を踏まえ、異なる歯の色と肌の色を組み合わせた20代から30代の男性のモデル顔から受ける印象を明らかにするための、男性モデル顔を選定し、4色の歯の色と4色の肌の色を組み合わせた16種類のサンプルを作成した。現在、20歳から39歳の一般成人男性を対象とした調査を終えたことから、おおむね順調と判断した。

今後の研究の推進方策

これまで、人々が歯の色を選ぶ場面や歯科医療従事者が歯の色を選択する場面で指標となる基準を明らかにすることを目的に、異なる歯と肌の色を組み合わせた20代から30代の女性モデル顔に対する印象を、20歳から39歳の一般成人男女を対象に調査し、報告している。しかし、汎用性の高い歯の色の選択基準の検討には、女性モデルだけでなく、男性モデル顔に対する印象評価も必要である。そこで2022年度は、一般成人男性を対象に、異なる4色の歯の色と4色の肌の色を組み合わせた16種類の男性モデルの印象にどのような違いがみられるか、調査した。今後は、この一般成人男性を対象とした調査結果を基に、4色の肌の色別に、肌の色に最も調和する歯の色と最も調和しない歯の色や、4色の歯の色の違いにより見た目年齢に差がみられるか、4色の歯の色の違いによりサンプルに抱くイメージにどのような違いがみられるかを分析し、4色の肌の色別に適した歯の色を明らかにする。
さらに、男性モデルの印象について20歳から39歳の一般成人女性を対象とした同様の調査を実施し、順次成果を報告する予定である。

次年度使用額が生じた理由

歯科衛生士を対象とした審美歯科診療の実態調査の結果を学会発表予定であったが、論文投稿を優先したため、学会での発表が認められず、学会参加のために計上していた旅費を支出しなかった。2023年度に、男性モデル顔の印象の違いについて分析した結果を学会発表や論文投稿するための費用として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 歯科衛生士の審美歯科診療に関する実態調査2022

    • 著者名/発表者名
      黒木まどか、青木久恵、小松美和子、庄山茂子
    • 雑誌名

      歯科審美

      巻: 35 ページ: 18-26

    • 査読あり

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公開日: 2023-12-25  

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