研究課題/領域番号 |
22K12737
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
角田 裕之 鶴見大学, 文学部, 教授 (30454961)
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研究分担者 |
孫 媛 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (00249939)
西澤 正己 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (00281585)
小南 理恵 鶴見大学, 文学部, 講師 (90895319)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | プレプリント / 計量書誌学 / 図書館情報学 / COVID-19 / PubMed |
研究実績の概要 |
令和5年度(2023年度)は、研究2年目の年度である。本年度では、COVID-19がプレプリントに与えた影響を明らかにすること目的とした。プレプリントは学術コミュニケーションの新たな経路になった。プレプリントがCOVID-19の研究開発を促進していることを検証した。本研究では、プレプリントとはmedRxivとbioRxivのアーカイブで公開された文献と定義し、出版プレプリントとはプレプリントで公開のあと、学術雑誌で出版された文献のうちCOVID-19のMeSH コードが付与された文献と定義した。プレプリントは査読審査が不要のため研究成果が迅速に公開される。一方、査読審査を経ていないため信頼性を担保していないとの議論がある。特に、医学論文は研究成果の引用など二次利用において慎重である。そこで、本研究において分析対象としたプレプリントは出版されていないプレプリントを除き、査読審査を受け学術雑誌で出版されたプレプリントに焦点を絞った。出版プレプリント数が多い4誌(PLOS ONE、Scientific Reports、BMJ Open、Nature Communications)では、出版プレプリントのうち半数以上がCOVID-19に関する内容であった。COVID-19出版プレプリントは、2020年1月30日に世界保健機関(WHO)がパンデミックを宣言した直後から公開され始め、2020年5月には700件を超えた。学術雑誌の査読期間が数週間から数か月であることから考えると極めて短いと言えるであろう。調査した74か国のうち58か国においてCOVID-19出版プレプリントの査読期間は他のテーマより短った。これらの検証成果から、COVID-19をテーマとした医学論文において、学術雑誌で出版する前にプレプリントで公開ことが研究開発の促進に貢献することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、雑誌毎にCOVID-19の影響を調査分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:令和4年度の国際会議のうち1回は他の研究費(科研費)から支出し、未使用残が令和5年度に繰り越されたため。 使用計画:国際会議で研究成果を発表する旅費と参加費に使用する計画である。
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