研究課題/領域番号 |
22K12742
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
羽鳥 康裕 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (30750955)
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研究分担者 |
石井 圭 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (70803899)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 視触覚 / 感度調整 |
研究実績の概要 |
動的な環境において適切な行動を取るためには、目的に関係する感覚情報を優先的に処理する必要がある。触覚情報はものを操作するなど、外界とインタラクションを行う上で重要である。触覚の感度調整には循環系が関与しているが、循環系は調整に時間がかかるため、実環境ではその遅延が問題となる可能性がある。予測に基づく調整を行うことで遅延に対応していることを検討することが本研究の目的である。触覚情報は直接物体に触れるまで得られないため、触覚以外の感覚モダリティ、特に視覚が予測に関与していることを検討し、循環調整を介する感度調整の予測メカニズムを明らかにする。 予測が感覚情報処理に与える影響を調査するために、視覚情報から予測される触覚情報が触覚の感度を調節するかどうかを検討した。具体的には、ヘッドマウントディスプレイと触覚デバイスを用いて、視覚情報から予測される触覚情報と実際に与えられる触覚情報が異なる実験環境を構築した。年度前半に実施した実験では、機器の操作が難しく、閾値を測ることが難しかった。そのため、現在実施している実験では触覚デバイスの操作方法を変更した。予測と実際の触覚情報にずれがある場合には、触覚の感度が下がる傾向が見られている。今後は実験参加者を増やし、触覚閾値の計測を継続する。実験系が機能していることが確認できたら、生理計測を追加した実験を実施する。心理計測と生理計測データに対してモデルを構築することで、感度調整の予測メカニズムを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験環境の見直しを行ったため、計画よりもやや遅れている。現在、実験参加者を募り、閾値計測を行っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
年度前半に現在行っている実験を終了し、続いて生理計測を行う予定である。心理計測と生理計測によって得られたデータからモデルを構築することで、感覚情報の時間的な統合過程や予測に基づく感度調整のメカニズムを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
生理計測用の消耗品の購入、および、旅費の使用が必要なかったため次年度使用額が生じた。翌年度に消耗品の購入と旅費として使用する予定である。
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