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2022 年度 実施状況報告書

錯視図形に対するトリの知覚傾向の比較認知科学的分析

研究課題

研究課題/領域番号 22K12747
研究機関大阪教育大学

研究代表者

渡邉 創太  大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (80738386)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードデルブーフ錯視 / 運動刺激 / PsychoPy / セキセイインコ / ハト
研究実績の概要

本研究の目的は、①デルブーフ錯視図形のうちtarget(錯視が生じる部位)とinducer(錯視を誘引する部位)とを被験体が混同していないことの実証可能な新実験デザインの検証と、②各動物種においてtargetとinducerの混同が生じやすい図形形状の解明である。
初年度である本年度は、目的①②のため、セキセイインコ3個体の調達・育成・オペラント実験への馴らしをする計画であった。個体の調達・育成は順調に進行したが馴らしで困難を示す個体が1個体おり、次年度も継続となった。また、実験装置の調達・増設も、次年度以降への持ち越しとなった。
まず、目的①のため、ヒトを対象とした新実験デザインによるデルブーフ実験を計画どおり実施・完了した。しかし結果は仮説と異なり、ヒトにおいて速さ弁別課題中のデルブーフ錯視知覚は見られなかった。次年度以降、刺激呈示条件を操作し原因を探る予定である。
また目的①のため、当初はVisualBasicによるプログラムを実装・実施したが、私にとって初の運動刺激呈示であり、高リフレッシュレートでの刺激呈示にVisualBasicが向かないことが分かり、代わりにPsychoPyによるプログラムの実装・実施するため、PsychoPyを一から習得し、PsychoPyにて挙動する同実験プログラムを実装し、ハトにおける実験開始まで漕ぎ着けた。次年度のハト実験完了と、上述の実験装置の調達・増設をした上でのセキセイインコ実験の開始を目指す。
目的②のためのハトでの実験を終えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究に対し、十分な時間を割き、その割いた時間に見合うだけの成果は上げた。
目的②のための実験をハトで終えたのは大きかった。ただし、その結果より、同一実験をセキセイインコで実施する意味が乏しいことも分かった。ハトで得られた結果のみ論文にまとめ、Animal Cognition誌に投稿予定である。
一方目的①のためには、実験プログラムを一から習得する必要性、先行研究で実証された現象が実証されなかった、セキセイインコ1個体においてオペラントボックス内での行動形成が成功しない(私にとって過去初)など、予想外の事態が複数生じており、対応に時間と労力が割かれ、また今後も対応の必要性が継続している状況である。

今後の研究の推進方策

上述した通り、新セキセイインコにおけるオペラント実験への馴らしとハトにおける現在遂行中の実験は継続し、新たにセキセイインコ用実験装置の増設を検討する。ヒトにおける本年度実験を修正して再度実施する。その結果とハトの結果次第では、セキセイインコでの実施は取りやめて計画を修正する。また、目的②のためのセキセイインコ実験を計画していたが、ハトで得られた同実験結果からセキセイインコでの実施の意味が乏しいことが分かったため、取りやめて別課題を計画する。

次年度使用額が生じた理由

実験装置の購入を計画していた本年度(初年度)に予算不足を避けるため(実験装置は、9割の調達ができていても不足があればその9割分も利用できない)、余裕を持った予算申請としていたこと、また実験装置の購入自体が順調に進まなかったことが理由である。現在、実験装置購入は次年度に計画しているため、本年度の残金と合わせて遅滞なく調達ができると考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ヒトは物体の運動速度判断時にデルブーフ錯視の影響を受けるか2022

    • 著者名/発表者名
      渡邉創太
    • 学会等名
      関西心理学会第133回大会
  • [学会発表] 様々なデルブーフ錯視図形に対するハトの大きさ判断──ハトのデルブーフ錯視研究も終われない──2022

    • 著者名/発表者名
      渡邉創太
    • 学会等名
      日本基礎心理学会第41回大会

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公開日: 2023-12-25  

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