研究課題/領域番号 |
22K12750
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
福森 聡 香川大学, 創造工学部, 講師 (00756710)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | クロスモーダル知覚 / Pseudo-haptics / virtual reality / エンゲージメント |
研究実績の概要 |
本研究は、上肢の運動に関連した視覚的運動結果によって誘発される身体知覚や情動の変化をクロスモーダル知覚と捉えこれを明らかにすることを目的とした。 クロスモーダル知覚による誘引される知覚や情動を調査する前に、視覚的運動結果により誘発されるクロスモーダルな重さ知覚に与える2つの要因に着目として実験を実施した。1つ目は、クロスモーダルな重さ知覚(以下、重さ知覚)の強度と固有受容性感覚の関係を明らかにするための実験を実施した。本研究では、視覚―運動学習により固有受容性感覚を変化させれば重量知覚の強度が変化すると仮説を立てた。仮説を検証するために、見かけの移動量を実際の移動量より減少させて実際の移動量とズレのある視覚結果をVRゴーグルを用いて提示して錯覚を生起した。固有受容性感覚は、見かけの骨格構造を狂わせた視覚情報を提示することで低下させ、視覚―運動学習することで骨格に適正な固有受容性感覚を学習させた。実験の結果、視覚―運動学習により、固有受容性感覚が低い人は重量知覚の強度が高まりやすく、固有受容性感覚が高い人は重量知覚の強度が不安定になる傾向があった。このことから、視覚―運動学習は錯覚効果の一様化に重要である 2つ目は、達成行動やその成果としてのパフォーマンスを予測する心理変数として注目されているエンゲージメントに着目し、このエンゲージメントを重さ知覚の強度に対して影響を与えるについて検討した。実験で、エンゲージメントを高めることで重さ知覚の強度が高まると予想を立てて実験を実施した。実験では、参加者はモニタディスプレイをみながら、コンピュータマウスを使ったてオブジェクトを動かすタスクをおこなった エンゲージメントの操作は、タスクに戦略性や報酬を付与することで行った。実験の結果、エンゲージメントが高まれば重さ知覚の強度が強まることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進展している。クロスモーダル知覚による誘引される知覚や情動を明らかにするために、視覚的運動結果により誘発されるクロスモーダルな重さ知覚に与える2つの要因に着目して実験を実施した。これら実験を通して今後の実験のための実験環境を作ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度実施した実験を継続するとともに、クロスモーダル知覚が引き起こす情動について調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度当初と異なる実験を実施したため、購入の必要がなかった物品がある。この物品の購入を予定している。
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