研究課題
人の選好は社会生活における様々な場面で変化することが知られている。例えば、繰り返し同じ人物と会話することによってその人物に対する選好が高まるといった印象の変化(単純接触効果)は、新しい環境への順応や周囲との関係構築などヒトが適応的に行動するための要素であると考えられる。また、顔写真でしか知らなかった人物と実際に会話をすることによって、その人物に対する選好が変化するという現象(会話によって得られた様々な情報が引き起こす選好の変化)も、社会的相互作用を適切に行う上で欠かせない機能であると考えられる。本研究では、こうしたヒトの選好の変化に関わる認知・神経メカニズムについて、機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging)による非侵襲的脳機能画像法を用いた検討を行っている。当該年度は、より生態学的妥当性の高い強固なエビデンスを得るため、実験パラダイムを修正しつつ、機能的磁気共鳴画像法を用いた実験を実施した。今後は行動・脳機能画像データ解析を継続するとともに、より多角的に選好の変化を捉えるための実験パラダイムを用いたデータ取得を実施し、エビデンスを蓄積していく予定である。
2: おおむね順調に進展している
データ解析を着実に進めることができ、学会発表も行うことができたため。
新型コロナウイルス感染症の影響が小さくなってきたため、今後も通常通りデータ取得・解析を進めていく予定である。ただし、予期しえない状況となった場合には、状況に応じて他の研究手法を用いるなどの対応を行うことも検討する。
予定していた物品の購入を延期したため。次年度に執行予定である。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 7件)
Science Advances
巻: 10 ページ: na
10.1126/sciadv.adj5778
Frontiers in Psychology
巻: 14 ページ: na
10.3389/fpsyg.2023.1130550
Journal of Rehabilitation Neurosciences
巻: 23 ページ: na
10.24799/jrehabilneurosci.231701