研究実績の概要 |
国立精神・神経医療研究センターにおいて3T MRIで取得された約1089名およびJ-ADNIデータベースに公開されている1.5T MRIで撮像された146名、合計の1235名の健常者群のデータを取得した。また対象疾患としてJ-ADNIデータベースに登録されたアルツハイマー病群(139名), 軽度認知障害群群(222名)を取得した。The Open Access Series of Imaging Studies (OASIS): 1248名の縦断的なMRIデータ(OASIS-3, OASIS-2)および416名の横断的なMRIデータ(OASIS-1)を入手した。Information eXtraction from Images (IXI): 662名の横断的なMRIデータを入手した。 解析の前処理として、Non-parametric non-uniformity nomalization法を信号不均一補正として実施した。また処理が可能なデータについてはMaikusaらが提案したファントムを用いた歪み補正の実施を行った。 解析環境として、画像解析に必要なソフトウェアの準備を行った。具体的には申請者が特許を有しているマルチアトラス法を用いた脳体積抽出アルゴリズムの設定を行った。 また解析リソースがボトルネックになる場合を鑑み、東京大学内に利用可能はスーパーコンピュータについて、解析可能かの事前調査を行った。画像解析ソフトウェアの設定を行い解析が実施可能であることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の進捗を鑑み次年度以降当初の計画通り以下のを実施する予定である。 令和5年度 (1) MRIからの脳特徴量の抽出・前処理:構築した解析環境を用い、MRIの前処理として,申請者が特許を有する技術を用いて脳関心領域の体積を取得する. (2) Harmonization法の最適パラメータの策定と有効性の検証:取得した多施設で撮像されたMRI画像に含まれる施設間差を除去するため, Harmonizationを実施する。 【令和6年度】(1) 機械学習へ最適な特徴量の選択:令和5年度の課題(1)によって得られた各特徴量のうち, ADの自動判別・MCIからの発症予測に最適な特徴量を策定する. (2) 機械学習によるADの自動判別・発症予測の評価:令和6年度課題(1)で得られた最適な特徴量を用いてADの自動判別を行い, 感度・特異度・判別精度を評価する. ADの判別精度として, 先行研究での報告を鑑み90%台後半を目指す. 機械学習のハイパーパラメータについては, Cross-validationを用いたGrid-searchを用いて決定する.
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