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2022 年度 実施状況報告書

薬物取込タンパク質への磁場影響メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K12763
研究機関金沢大学

研究代表者

柿川 真紀子  金沢大学, 生命理工学系, 准教授 (10359713)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード交流磁場 / 膜タンパク質
研究実績の概要

これまでの研究により、交流磁場に曝すことでヒトがん細胞において、一部の抗がん剤の殺細胞作用が増強されることを見出した。また、抗がん剤耐性細胞株のなかでも細胞内に入った薬剤を排出する膜タンパク質のP-glycoprotein が多く発現することで耐性となった細胞株とその元のがん細胞株を用いて交流磁場影響を比較した実験結果から、この2細胞株では磁場影響の受けやすさが異なり、磁場は細胞膜タンパク質に影響を与えることが示唆された。さらにシスプラチン、ドキソルビシン、エトポシドなどの抗がん剤では、それぞれの関わる細胞膜タンパク質(薬剤取り込みトランスポーター、薬物排出トランスポーター)は異なることが知られていたことから、これら各薬剤作用時のヒト細胞に磁界を曝露した結果、磁場の影響を受けやすい細胞膜タンパク質と受け難い細胞膜タンパク質があることが示唆された。これらについては、国際ジャーナルにて論文発表を行った。
交流磁場によって一部の薬剤の殺細胞作用を高められれば、固形がんの部位に交流磁場を曝露することで、標的部位におけるその薬剤作用を高めることができ、投薬量を減らして副作用を軽減できる可能性がある。しかし、現時点ではメカニズム的に磁場曝露によってどの薬剤であれば(どの細胞膜タンパク質が関われば)その作用を増強できるのかが不明である。そこで異なる膜タンパク質を有する細胞株を用いて比較し、磁場の影響を受けやすい細胞膜タンパク質の同定を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画の通り進んでいる。

今後の研究の推進方策

蛍光特性を有する薬剤や化学物質を用いて、異なる細胞膜タンパク質を有する細胞に対し磁界曝露による細胞内へ取込まれる量の変化を測定する。

次年度使用額が生じた理由

磁場装置の冷却液が当該年度はメーカーの生産停止中で購入できなかったため。
次年度までには生産再開し、納品は可能になるとの連絡あり。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Different effects of magnetic field on drug activity in human uterine sarcoma cell lines MES-SA and MES-SA/Dx52022

    • 著者名/発表者名
      Shibaki Reo、Kakikawa Makiko
    • 雑誌名

      Electromagnetic Biology and Medicine

      巻: 41 ページ: 343~351

    • DOI

      10.1080/15368378.2022.2095645

    • 査読あり
  • [学会発表] 60 Hz交流磁界がヒト血清アルブミンの立体構造および凝集に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      山田智貴、柿川真紀子
    • 学会等名
      電気学会マグネティックス研究会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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