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2023 年度 実施状況報告書

短波赤外蛍光を用いた超早期がんの新規無侵襲分子イメージング技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K12768
研究機関前橋工科大学

研究代表者

野村 保友  前橋工科大学, 工学部, 教授 (80237883)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード短波赤外蛍光 / 早期乳がん
研究実績の概要

早期乳がん検出のため、試料に光を照射し、励起された拡散蛍光をカメラで検出する、透過型ハイパー拡散蛍光イメージング(Hyper Diffuse Fluorescence Imaging:HDFI) システムを試作してきた。撮影範囲に対して試料範囲が狭く、空間分解能が低いという問題を抱えていた。そこで現実的な乳がん検出を想定して透過型から落射型に改良し、試料範囲のズームを含むシステムの最適化を図った。その後、改良した落射型HDFI光学系の性能評価をした。評価指標は空間分解能と浸透深度とし、落射型を用いた先行研究と比較した。さらに、先行研究を参考に蛍光体の位置を三次元的に決定するための深さ推定手法を検討した。
テストターゲットによる空間分解能について先行研究と比較すると、コントラスト26.4%のときの空間周波数は本研究の方が約1.6倍高い結果となった。主成分分析から得られた第一主成分画像より求めたコントラストノイズ比CNRは、深さ4 から12mmにおいて先行研究より優れていた。本研究の撮影条件下におけるCNRはすべての深さでローズ基準を上回り、定量的に画像品質の高さを証明した。蛍光体の深さが深くなるほど半値幅が大きくなり、深さによる散乱の影響を確認できた。直径4 mmの円筒形の蛍光体試料により取得したデータキューブの各深さの拡散蛍光プロファイルは、蛍光体にレーザーが近いと強度が強く、離れると強度が弱くなった。
本研究では、現実的な乳がん検出手法としての実現可能性を秘めた落射型HDFIシステムを構築した。様々な評価手法を用いて先行研究のシステム性能と比較することで、本システムの有用性の高さを立証した。今後、システムの長波長化と蛍光体の深さ推定を行うことで、より臨床に則した乳がん検出モダリティへ拡張できると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度提起された問題のいくつかを改善したが、まだ未解決のことが残されている。

今後の研究の推進方策

イメージセンサの感度の不足について、数値解析から本研究に必要な仕様を明らかにしたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Goniometer for Determining Angular Dependence of Light Scattering in Red Blood Cells Based on Monte Carlo Simulation2024

    • 著者名/発表者名
      Shota Kato, Yota Kikuchi, Kaede Iizuka, Yasutomo Nomura
    • 雑誌名

      Advanced Biomedical Engineering

      巻: 13 ページ: 58-65

    • DOI

      10.14326/abe.13.58

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A working hypothesis visualization method for fNIRS measurements using Monte Carlo simulation2023

    • 著者名/発表者名
      Yota Kikuchi, Yasutomo Nomura
    • 雑誌名

      MethodsX

      巻: 11 ページ: 1-9

    • DOI

      10.1016/j.mex.2023.102357

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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