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2022 年度 実施状況報告書

医用画像生成ニューラルネットワークにおける共通特徴と固有特徴の独立学習手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K12771
研究機関北海道情報大学

研究代表者

越野 一博  北海道情報大学, 経営情報学部, 教授 (90393206)

研究分担者 樋口 隆弘  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30739850)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードニューラルネットワーク / データ拡張 / 敵対的生成ネットワーク / 少数例学習 / SPECT
研究実績の概要

本研究の目的は、医用画像間に存在する共通特徴と固有特徴を活用し、少数教師データでの高い推論性能をもつニューラルネットワーク学習の実現である。放射性薬剤を生体に投与し生命現象を非侵襲的に画像化できるPET(陽電子断層撮影)やSPECT(単一光子放射断層撮影)にもとづく画像(以下、医用画像)から正確な診断情報を得るために、ニューラルネットワークにもとづく手法の研究が盛んである。現状の問題は、ニューラルネットワーク・モデルの肥大化(パラメータ数の増大)とそれに伴う計算量・教師データ数の増大である。ニューラルネットワークにおける効率的な学習を実現するために、教師データに存在する共通特徴と固有特徴を独立に学習し、各種病態パターンの画像を生成可能な敵対的生成ネットワーク(GAN)モデルの構築を目指している。
今年度は、脳123I-IMP SPECT画像(64×64)を対象として手法の検討を行った。使用した教師画像は、3種類の解剖学的レベル(皮質、大脳基底核、小脳)について、正常例、片側性病変、両側性病変の3病態パターンからなる。これらの教師画像に存在する共通特徴と独立特徴を独立に学習するために、2つの生成器G1とG2を用意した。G1では、3種類の解剖学的レベルについて正常例のみで学習を行った。G1とG2を内部で使用する1つの生成器を構築した。指定された解剖学的レベルと病態パターンを有する画像を生成する学習過程においては、G1はパラメータ変更を不可とし、共通特徴を画像に付与する役割とした。G2は固有特徴を学習するため、G1の学習済みパラメータを初期値として学習を行った。教師画像と本研究による生成画像との間で、カウントの平均値および左右半球のカウント比を比較した。これらの統計値について、教師画像との差は概ね±10%であったが、小脳レベル片側性欠損のみ、教師画像との乖離が顕著であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者のグループが、過去に発表した論文において使用したネットワークモデルと比較した場合、生成器において、約3分の1のパラメータ数により、同等の画質を持つ画像の生成が可能となっている。本研究の目的である少数教師データでの高い推論性能をもつニューラルネットワーク学習の実現に近づいている。

今後の研究の推進方策

既存手法より大きくパラメータ数の削減に成功したが、特定の病態パターンにおいて、教師データと乖離した統計値を持つ生成画像となった。この問題を解消し、さらに効率的な学習を実現するために、生成器だけではなく識別器についてもネットワーク構造の改良を行う。敵対的生成ネットワークの他に、拡散モデルに基づく手法も検討する。異なるモダリティ(PET)や、撮像部位(脳や体幹部)、解像度を対象とする画像を用いて、本手法の汎用性を評価する。教師画像に対する生成画像の忠実度を、読影医や定量的指標を用いて評価する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額の大部分は、研究分担者への配分額である。既存研究と比較するため、教師画像については、既存のデータを使用した。それにより、当初予定していた教師画像作成およびそれに要する機器の購入を先送りしたため。今後、研究分担者による教師画像作成と、生成画像の視覚的評価の用いる機器を購入する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] ヴュルツブルク大学(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ヴュルツブルク大学
  • [学会発表] 核医学画像におけるディープラーニングベースAI技術の紹介2022

    • 著者名/発表者名
      越野一博
    • 学会等名
      第62回日本核医学会学術総会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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