令和4年度においては,駆動機構を改良した提案人工呼吸器のための部材を購入し,試作機を3台ほど組み上げ,提案圧力制御を組み入れる実験を繰り返し行なっている.人の肺の圧力変化は,基本何かしらのモデル化をすると経時的にも当初数式で書いたものとズレが累積し,微細な圧力の調節が不可欠な人工呼吸器の系で,提案するモデルなしの駆動方式をプログラム的にも電子回路的にも装置機構的にも実現するための改良を行なっている. 本年,国内の学会で2件の発表を行い,1件は,日本生体医工学会北陸支部大会にて,「アンビューバッグを用いた緊急呼吸補助用スライド式機械式人工呼吸器システムの開発」として努力賞を受賞している. また,気体の流量計を利用することで,圧力を利用するより人にとって何ccの空気が肺に入ったといった医師が重要としているパラメータを主軸にした人工呼吸器の開発を進めている.これについては気体流量計がその流量数値と実際の空気流量が3割ほどもずれる現象を見つけており,この問題の解決方法を実験を繰り返しながら模索しているところである.
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