研究課題/領域番号 |
22K12861
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
赤座 実穂 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (00769672)
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研究分担者 |
川端 茂徳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, ジョイントリサーチ講座教授 (50396975)
横田 隆徳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (90231688)
足立 善昭 金沢工業大学, 先端電子技術応用研究所, 教授 (80308585)
叶内 匡 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 講師 (50345287)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 生体磁場計測装置 / 神経超音波 |
研究実績の概要 |
本学では超伝導量子干渉素子(SQUID)磁束計を用いた神経軸索活動に対応した生体磁場計測装置の開発が行われている。測定された神経活動の磁場より、神経活動電流を軸索内電流、脱分極部の内向き電流に分けて推定できる。磁場は生体組織の影響を受けないが、距離により減衰するため神経活動電流推定の精度向上には神経とセンサーとの距離の情報が必要である。近年、高周波・高解像度のプローベの開発により,超音波検査をもちいた神経の形態的評価が可能となったことに着目し、末梢神経誘発磁界測定において、神経超音波検査により得られた神経の位置情報も組み合わせ、軸索内電流、脱分極部の内向き電流にわけ神経活動を評価することを考案した。 2022年度は指刺激による手関節部の正中神経3例、手関節刺激での上腕部の正中神経3例、足関節部刺激での腓腹神経を3例を計測し神経超音波検査により得られた神経の位置情報も組合わせ、軸索内電流、脱分極部の内向き電流にわけ神経活動を評価した。神経活動は刺激からの距離に従い生理的分散によりある一定で徐々に減衰していくと思われるが、現時点ではまだ推定される電流値や各区間での伝導速度にばらつきが大きく、病変部位の特定という臨床応用にむけて今後もアルゴリズムの検討をつづけていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健常者の計測を重ね、超音波検査による神経の位置情報を考慮した神経活動評価アルゴリズムを検討している。
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今後の研究の推進方策 |
1. 健常者の末梢神経誘発磁界測定をつづけ、超音波検査、その他の画像検査による神経の位置情報を考慮した神経活動評価アルゴリズムを決定する。それに基づき、軸索内電流、脱分極部の内向き電流の正常値の構築を目指す。 2. 健常者測定により確立した方法を用いて、末梢神経障害患者を測定し、超音波検査による神経の位置情報を考慮した誘発神経磁界測定による末梢神経機能診断の有用性を検討する。軸索障害、脱髄障害の鑑別のみでなく、ランヴィエ絞輪およびその周辺の異常なども評価できるか検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
超音波検査による神経の位置情報を考慮した神経活動評価アルゴリズムを決定を続けているが現時点では十分ではない。今後、使用する超音波検査のプローベの変更や他の画像検査の追加などの費用として来年度の使用額が増加する可能性があるため。
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