研究課題/領域番号 |
22K12869
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
杉山 拓史 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70810927)
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研究分担者 |
安 隆則 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40265278)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 心室瘤 / 拡張早期僧帽弁逆流 / 拡張早期血行動態 / VFM / Pressure wire |
研究実績の概要 |
左室瘤患者の少数例にVector Flow Mapping(VFM)にて拡張早期の相対的左室内圧較差を経時的に測定すると、左室瘤を合併している症例ではII音からの拡張早期に左室心尖部の圧が左室基部と比較して高く、ある時間を経過してから圧反転現象が起きている。そのような症例では左室の効率が著しく阻害され、予後不良な経過を辿ると推測されるがエビデンスは存在しない。本研究では左室瘤を有する前壁心筋梗塞患者の瘤内の渦流と拡張早期の詳細な血行動態を、VFMとカテーテル検査中にpressure wireを用いて正確な左室・左房同時圧を経時的に測定し、拡張早期僧帽弁逆流の機序とその予後に与える影響を明らかにすることである。心筋梗塞後慢性心不全患者を対象に、心カテ中に左室と左房同時圧測定(アボット社の圧センサーワイヤー使用)と心エコーVector Flow Mapping(VFM)による心室内圧較差ならびに左心房-左心室圧較差測定を約30例に施行できた。今後、目標症例数まで増やしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例数は昨年度より増やすことができた。今後は結果を解析・検討していく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
心臓カテーテル検査中に僧帽弁口近くの左室内圧と左房内に入れたプレッシャーガイドワイヤーで、リアルタイムの正確な左室と左房との同時圧を測定する。この方法論は新規性があり独創的であり、現在投稿準備中である。拡張早期僧帽弁逆流が独立した予後規定因子であることを証明できれば、new entityとしての大きな意味のある発見である。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例数が増えたことで、検査費用等を次年度の必要経費として繰り越した。2024年度は外注検査費用に30万円使用予定である。また、解析用のPC等の購入も考えている。
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