研究課題/領域番号 |
22K12873
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
高井 雄二郎 東邦大学, 医学部, 教授 (90349887)
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研究分担者 |
塚越 秀行 東京工業大学, 工学院, 教授 (50313333)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 末梢肺癌 / 気管支鏡 / 自走式カテーテル |
研究実績の概要 |
肺癌を代表とする呼吸器疾患において,診断・治療の精度を高めるには,肺内病変の組織生検が不可欠である.現行の気管支鏡を挿入する手技では,多岐に分岐する気管支内の病変に鉗子を目標通りに到達させることが難しい.そこで,技量や設備のレベルを問わず,精度を担保しつつ検査を簡易化するため,CT画像のマップ情報をもとに目標病変に生検鉗子を自動誘導するシステムの構築を筆者らは目指している. 本研究では,先行研究の課題解決の一策として,気管支内を空気圧噴射で推進する可能性を模索している.これまでにも噴射を利用した索状移動体はいくつか検討されてきた.それらは,水圧噴射で空中を浮遊するタイプ,水圧噴射で水中を遊泳するタイプ,空気圧噴射でがれき内の移動中にスタック状況を回避するタイプ,などが挙げられる.これらは口径20~50mm程度のチューブ内に流体圧を印加し,ノズル・チューブ・弁などは既存の要素技術の融合で実現されていた. 本研究で目指す空気圧噴射はこれらとは異なり,口径3mm以下の細径チューブ内に噴射口と切換機能を設け,口径4~8mm程度の気管支内で方向を選択しながら推進するという,細径構造特有の要素技術の開発と,制御手法の構築が目的である.本研究では,その第一段階として,口径3mmの先端構造において,空気噴射で気管支相当の細径管内を推進する可能性を検証した.肺内病変の組織生検の精度向上を目指して,噴射型カテーテルの構造を提案し,試作機による実験を通して提案手法の有効性を検証した.蠕動運動や押し込み式以前に研究者が提案したTwin-tubeと比較すると,管路内での推力が増し,速度の向上も確認された.今後は, 分岐内の方向選択を行う構成を構築し,気管支の分岐を目標位置に向かってスムーズに推進させる方法論を検討する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
気管支鏡の鉗子改良は、徐々にではあるが、推進しており、成果も出ている。関連学会での発表や、MARC×湘南アイパークシーズ発表会でも発表し、関連企業との提携も模索している。
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今後の研究の推進方策 |
実験や検証の結果や、関連学会での発表等で得た課題点の洗い出しを行い、気管支モデルを用いた実験を継続し、さらなる改良や検証を行っていく。 関連企業との連携を図り、事業化へのステップを模索していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験に用いる物品の購入計画が後ろ倒しされたため。それらの物品購入および、関連消耗品などに用いる予定である。
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