研究課題/領域番号 |
22K12880
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研究機関 | 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所) |
研究代表者 |
武居 修 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 客員研究員 (00500480)
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研究分担者 |
迎 恭輔 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 主任 (60793974)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | RNA / DNA / 自動化 / 装置開発 / 抽出精製 |
研究実績の概要 |
遺伝子検査解析は医療分野において様々に利用され、がん領域においてもがん遺伝子パネル検査などに広く用いられている。近年、ゲノム変異のみならず、エピゲノム解析による薬物奏効性予測の重要性が高まっているが、検体が微量で、解析までの処理が煩雑で、再現性が低く、未だ決定的奏効性マーカーが見いだされていない。遺伝子解析、エピゲノム解析では検体からの抽出精製、前処理が重要であり、我々はそれらをシステム化することを目指している。さらに解析に用いる多様な検体からの高収率RNA・DNA抽出精製が可能な操作方法を確立し、バイサルファイト処理等の前処理システムへの適用を検討している。 がんゲノム解析等においてバイサルファイト処理を実施する場合には検体としてホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織標本を用いるため、装置でFFPE検体からのDNA自動抽出、精製処理を実施可能なように各種試薬、検体等の装置内配置等を再検討、変更し、自動的にFFPE抽出処理が可能なプログラムを作成、実装した。特にFFPE溶出溶媒の除去工程(反応液の上澄み除去操作)は手作業等において誤差を生じやすい部分であるが、本システムでは機械的に常に同様な除去を実施する動作とし、再現性の向上を図った。またFFPE抽出処理後のバイサルファイト処理PCR反応後の抽出、精製処理プロセスも連結・実装し、運転動作を確認した。この時、バイサルファイト反応試薬等は環境劣化し易く、装置設置は好ましくない為、同試薬分注、PCR反応は再現性等を考慮し、装置外操作とし、自動処理を再開するプログラムとした。 また、同時に埼玉県立がんセンター内において被検者検体を用いるため、臨床研究審査委員会に諮り承諾を得た。現在被検者検体を用いた手動によるFFPE抽出およびバイサルファイト処理実験を実施し、PCR等を用いた評価、解析を並行して実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試作した装置を用い、運用プログラムによる実験条件変更を行い、被検者FFPE検体からのDNA抽出バイサルファイト処理および、精製条件の検討を実施した。その結果、装置運転におけるプログラムの実装、実施条件等の設定を検討した。また、同時に臨床研究審査委員会に諮り承諾を得、被検者検体を用いた抽出、評価検討も開始しており、おおむね順調な進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
主担当、分担研究者ともに研究計画はおおむね順調に進展しており、引き続き目的達成に向け課題推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実施において、想定していたより実験機器・消耗品購入が少なく成果が得られたため。
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