研究課題/領域番号 |
22K12890
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
野口 義紘 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (80724608)
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研究分担者 |
吉村 知哲 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (70985085)
舘 知也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (80618447)
寺町 ひとみ 岐阜薬科大学, 薬学部, 名誉教授 (20405129)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 医薬品相互作用 / 2群間比較 |
研究実績の概要 |
本研究は、計算科学に基づくデータマイニングを活用したエビデンスの高い有害事象シグナルの創出を目的とした「若手研究 19K20731」の継続研究であり、対象を医薬品相互作用にまで拡張したものである。 昨年度から引き続き、有害事象自発報告データベースから得られるシグナルをエビデンスの高い情報にするために、医療機関から収集されたリアルワールドデータと複合的な解析を数多く実施した。その研究実績のひとつとして、アンドロゲン受容体経路阻害薬による心血管イベントの発症の違いを明らかにした研究がある。本研究結果は、日本薬学会第144年会で報告した。 また、本年度は、サブグループ解析だけでなく、サブグループ特有のシグナルを検出する手法の理解も重要であると考え、サブグループ特有のシグナルを検出する手法について網羅的に探索し、それぞれの利点・欠点について総説としてまとめた。これらの手法には、頻度論的統計手法であるrelative RORやオッズ比、ベイジアン統計手法であるIC deltaなどがあるが、不均衡性の比較という点においては、relative ROR、IC deltaを用いることが望ましい。そこで、これらの手法を用いてDipeptidyl Peptidase-4阻害薬による類天疱瘡の発現と性差を明らかにし、第17回日本性差医学・医療学会学術集会で報告した。 また、これら手法から、ベイジアン統計手法であるIC deltaを参考にして、医薬品相互作用のシグナルを検出できるようにΩ shrinkage measureモデルを拡張した手法を考案し、日本薬学会第144年会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
有害事象自発報告データベースから得られるシグナルをエビデンスの高い情報にするためには、サブグループ解析だけでなく、サブグループ特有のシグナルを検出する手法の理解も重要である。本年度は、サブグループ特有の医薬品相互作用のシグナルを検出する方法を考案した。
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今後の研究の推進方策 |
サブグループ特有の医薬品相互作用のシグナルの探索も行い、そのシグナルについてリアルワールドデータを用いたシグナル検証を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
アクセプト済の論文掲載が遅れ、論文投稿費が次年度扱いとなったため
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