研究課題/領域番号 |
22K12892
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
坂倉 建一 自治医科大学, 医学部, 教授 (20773310)
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研究分担者 |
藤田 英雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (70327336)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 冠動脈石灰化 / ロータブレーター / 回転性アテレクトミー / 無作為化試験 |
研究実績の概要 |
本研究は冠動脈高度石灰化病変に対するロータブレーターの操作方法に関する前向き無作為化試験である。狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患は経皮的カテーテル治療で加療されることが多い。冠動脈高度石灰化があると手技不成功や慢性期の再狭窄につながることが多い。ロータブレーターは冠動脈高度石灰化病変を治療するための特殊な器具である。ロータブレーターを用いることで冠動脈の高度石灰化を直接切削すると、冠動脈ステントの拡張が良好になり、結果としてカテーテル治療を成功に導くことができる。一方で、ロータブレーターを用いたカテーテル治療は用いない場合に比べて周術期の合併症が多く発生することが報告されている。特に冠動脈血流遅延(スローフロー)はロータブレーターにおいてしばしば発生する合併症であり、周術期の心筋梗塞発生といった合併症の原因となる。冠動脈血流遅延を予防することはロータブレーター治療をより安全に施行することにつながるが、冠動脈血流遅延を予防する確実な方法は現時点ではない。本研究の目的はロータブレーター手技において短い(15秒以内)連続操作時間は、長い(20秒以上30秒未満)連続操作時間に比べて、冠動脈血流遅延の発生を抑制することができるかどうかを比較検討することである。多施設共同研究として事前の試験登録を行い(UMIN000047231)、2022年4月より試験を開始した。患者の組み入れは自治医科大学附属さいたま医療センター、JCHO埼玉メディカルセンター、練馬光が丘病院の三施設で行われている。予定組み込み症例数は300例(内、本登録266名)であり、2023年4月現在で100例以上の組み込みが終了しているため、症例登録は順調に進んでいる。研究方法についてのMethodsペーパーを執筆し、現在投稿済で査読中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者組み入れに際して大きな問題は生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
予定組み込み症例数は300例(内、本登録266名)であり、引き続き患者組み込みを進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在Methodsペーパーを投稿済で査読中である。2022年度中の受理を考えていたが、査読に時間を要しており、2022年度中の受理はかなわなかった。Methodsペーパーはオープンアクセスにする予定であり、このオープンアクセス費用を2023年度には計上する予定である。
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