研究課題/領域番号 |
22K12912
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
渡邊 さつき 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (30796016)
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研究分担者 |
田中 雄一 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (10547029)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 発作検知 / 部分発作 |
研究実績の概要 |
本研究は、強直間代発作(全身けいれん)が発生するのに先行しておこる「部分発作」の検知を可能にすることが目的である。てんかん発作は、いつどこで起こるかわからない。そのため、てんかん発作をより多く、より早い段階で検知し、医師の診療支援や発作時早期介入を図るシステムの実現を目指している。将来的には、発作検知アルゴリズムを搭載した小型の発作検知装置の開発を行いたいと考えている。 今年度は、入院患者における長時間ビデオ脳波検査のデータ取得を行い、19例のデータを得た。長時間ビデオ脳波検査では、1例につきおよそ90時間の脳波および動画像のデータが記録される。記録されたビデオ脳波データを解析し、発作時脳波パターン、発作時脳波の起始部の同定、発作間欠期脳波異常の同定、発作症状の分析と分類、発作開始時間および発作持続時間の同定を行った。部分発作検知アルゴリズム作成に関しては、頭部回旋発作の検知アルゴリズム作成を予定しているが、本年度は記録された発作数が十分でなく、アルゴリズム作成に遅延が生じている。 また、第55回日本てんかん学会学術集会において、シンポジウム「てんかんのAI診断~どこまで来たのか、どこへ向かうのか~」にて「動画像からの強直間代発作の検出」と題して講演を行った。シンポジウムでは、アルゴリズムの作成手法に関する質問や、自宅で用いることのできる発作検知デバイスの開発に対する期待の声が聞かれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アルゴリズム作成の対象となる発作症状のある患者数が十分に集まらず、アルゴリズム作成に遅延が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
入院患者からの長時間ビデオ脳波検査データ取得を続け、部分発作検知アルゴリズムを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ取得数が十分でなく、研究全体として遅延が生じたため。次年度に、データ解析用パソコンおよび外付けハードディスクの購入に使用する予定である。
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